
コンテ:長濵博史
演出:下司泰弘
作画監督:馬場充子
第三話『雪の下』
その男の頭上には、常に雪が舞っている。
凍える事も無く平然とする男を支配するものは、決して拭い去れない記憶──妹と共にした冬の想い出
凍える事も無く平然とする男を支配するものは、決して拭い去れない記憶──妹と共にした冬の想い出
『湖に落ちたら雪はどうなるの?』
『溶けて湖の水になるんだよ』

『土の上に落ちればいいのにね』
『雪は自分じゃ決められないんだよ』

『ふーん 可哀相ね』

『湖が凍ったらその上に積もるよ』

『いつ積もる?』
『もっと寒くなったらな』


『ここらに宿があるはずなんだが...』

『雪に埋もれちまってる...空家か』

『お あっちか』



『お客さんお風呂の支度が...』


『これ雪の欠片でしょ?見ていい?』

『これもそうなの?』

『それは雪虫の類だ 雪片を解すと時折中に紛れている』

『これなんかは雪ならしと言う。動物の足跡に住み着く蟲だ』

『こいつが多い所ではたちまち足跡が消えちまう。狩りや人探しをするには困った奴だ』

『こっちのは?』
『そりゃあ雪団子蟲だな』

『雪の上を転がって雪玉を作って移動する』

『木のない所で出くわすと追っかけてきてぶつかられることもある』

『それは厄介ね』

『コイツが木にぶつかる衝撃で雪崩が起こることもある。案外怖い奴だ』

『一番珍しいのはコイツかな。群で行動して動物の個体を特定して纏わり付く』
『そのせいで常雪蟲と呼ばれてる』

『それに憑りつかれたらどうなるの?』

『体温は下がるが命を落とす事はないと言われている。春になれば自然と消えるそうだ』

『そう......』
『心当たりがあるのか?』

『途中、雪に埋もれた家があったでしょう?あそこには私の友達が住んでるんです』

『あの子がいるからあそこは雪に埋もれてしまったの』

『その子、この冬の始め妹を湖で亡くしたんです』

『気が付いたらその子の周りだけ雪が降るようになってたの』

『トキ 私よ』


『蟲師ギンコさん 話聞きたいんだって』



(......寒い)

『暖かくすると皮膚が焼けるように痛むので...寒いのは全く感じないんですけど』

『それはいつから?』

『...あの日からかな』



『先ごろ、湖に落ちた妹が戻ったのかと戸を開けたんです』

『その時雪が体の中に吹き込んだ様な気がして』


『熱い...』

『それ以来暖かい物に近付けなくなって、』

『寒さや冷たさは全く感じなくなったんです』

『ちょっと手を見せて』


(なんて冷たい手だ...人肌程度でもだめなのか)

『感覚はなくとも体は痛んでる。温めねえと手足を失うぞ』

『いいんだこのままで...』

『魚獲りに行かなきゃ』



(止んでる...)




『ついてくんなよ危ねえから』
『そっちこそ気を付けなよ』



『あれ?変だなぁ』

『雪が溶けずに沈んでいく...湖の下にも雪は積もるのかもしれないな』

『兄ちゃん!ほらここ、こんなに積もってる』

『サチ!そっちは!』




『トキー!おーい!』


『あそこ、雪が』

『あの下にいるんだ...』



『このあたりは深くて潜れやせんぞ...』
『日も落ちたしもう水に入るのは無理だ』


「その夜、湖は一夜のうちに氷に覆われた」

『雪が...止んでる...』

『止めてればよかった...湖に行かすんじゃなかった』



『湖の氷が冷えて縮んで割れるのか...』


『トキ......?』


『トキが戻ったの!けどまた出てしまって』

『凍傷を負ってて温めようとしたら酷く熱がって』

『手分けして探そう。早く治療しないと手遅れになる』



『早く手当しないと!』

『俺が助かったんだ。サチもまだこの底で眠ってるのかも』


『湖の底の雪の下で俺、眠ってたんだ』

『アイツは目が覚めなかったのかも...俺が行って助けやらねえと』

『しっかりしてよ!サチはもう...死んじゃったの』

『あの時アンタが引き上げてアンタの腕の中で...』


『タエ...そこはダメだ!』





『ほら、おぶされ』

(背中が熱い...タエの心臓のあたりが熱を持ってる)

(まだ間に合う...まだ...)







(頬か冷たい...)

(息も白くなってる)

(手足が痛い...)

(寒くてたまらない...)


(タエの僅かに残った体温に温められたためか)

「トキの体温は里に着く頃には正常に戻っていた」

「そして彼の周りに降っていた雪もいつしか止んでいた」

「二人とも凍傷を負ったがタエのは軽く済んだ」

「トキの傷は酷く何本か失ったが、生きて戻っただけで奇跡と言えた」

『あの雪が守ってくれたのかな?』

『気が付いたら綿布団みたいに雪で覆われてたんだ』

『あれは夢だったのかな...』

『いいや...』





『本当に発つの?』
『ぐずぐずしてると春まで動けなくなりそうだからな』

『気を付けて』
『そっちこそ。春まで十分気を付けろよ』

『ここではまだまだ冬はこれからだからね』

声「四季の大半を白い雪で覆われる地では」


「水や地よりも多くの異形が雪に潜む」

「雪の上に」

「雪の中に」

「雪の下に」


みんなの感想

降り積もる雪というのは意外と寒くないもので、それより湖の透明度や氷の重量感から寒さがひしひしと伝わってくる描写がすばらしかった。「みどりもの」と称される蟲の姿がまったく出てこない、ただひたすら白い風景も印象的。

たえを背負って歩く時間の濃厚なこと。己と対話し蟲が抜けて行く時間=心身ともに人間らしさを回復して行く時間。計ったら何分もないと思うンだけど、濃密だった。男女ペアだから余計な深読みもしたくなった。懐深い話だからそれさえ含んでしまいそう。
蟲って基本的に変なのしかいないんだね
人の身体に影響を与えるのが多いけど人を幸せにする蟲とかいないのかな?
運気とかそういうのに働きかけるの
∧_∧
( ´・ω・)
┌/:::::::/ ̄ ̄ ̄/
旦 \/ /
( ´・ω・)
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旦 \/ /
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