第10話「若き伝承者」
『希望のなんとかの文句は俺に言え!』

「急いで報告しないと」

『殺してくれ、こんなことしか俺にはできない…』

『それを持つ限りあなたはドイツ軍に命を狙われ続ける』

『飛燕のために祈りを捧げて、私はそれだけでいい』

『ついに見つけた』

『挟み撃ちか…!汚ねぇ真似しやがって!』

『羅門 エリカを任せたぞ。命を懸けて守れ』





「どこ行ったー!?」
「どこ行きやがった!」

「こっちだ!こっちだ!」

「オラァァァ!」

『エリカ!』

『大丈夫、行きましょ』


「オラ!ガキども!」
「この野郎!」
「止まれえ!」

『くっそ…!』

『こっちだ!』

『うわっ!』

「んだっさー!見つけたどー!」

『次はドイツ軍かよ』

『あっ!』

『ここで奴らをやり過ごそう』

「どっしゃー!ふんっ!ふっふっふん!」

「どこ行った!」
「あっちだ!」

『よし、もう少し様子を見てから…』

『わっ!』

『どうしたの?』
『な、なんでも…!』

『やっぱりさ上海ってすごいよな。色んな国の軍隊だけじゃない。租界には他にもヤバイやつがゴロゴロしてる。さすが魔都って呼ばれるだけあるよ』

『それだけたくさんの人が傷ついたり死んだりする…』
『……』

『君は守るよ。どんな事があっても守る。拳志郎兄さんと約束したから』

『羅門…』

『よし、行こう!』
『うん』

『あっ!』

「オラァ、どこ行くんだ?」

『そらぁっ!』

『うっ!』

『ぐっ…!逃げろ!』

「待てぇ」

『あぁ!うっ…ぐっ…!』

『このぉぉぉ!』

『ふっ』

『オラッ!』

「だはぁ…」

『今だ行こう』
『うん』


「だっはー!」

『くっそ…!あいつデカイ割にすばしっこいぞ』

『あ、エリカ上着貸して』
『何をするつもりなの?』

『まさか囮になる気じゃ…そんなのダメ!』

『大丈夫さ俺は強いよ。どんな事があっても守るって言っただろ』



「ドゥッフフ!出てきたな!」


『羅門…』

『こっちよ!』


「ぐあっ!」

『うっ…!』
『子英!』

『行きなさい、ここは私が食い止めるわ』
『けど…!』

『どこかに隠れて少し傷を癒やしなさい。熱りが冷めたら屋敷へ戻るのよ』
『こんなのか擦り傷だよ。大したことないって!』

『子英、ボスの言うことは聞いておくものよ。さぁ』

『うん、分かった』

「いたぞ!」



『あっ…!』

「ニヤァ…」


「手こずらせやがって」
「これで青幇も終わりだなぁ」


「待て!青幇の女ボスは聞きしに勝るいい女だなぁ…」

「くんくん…あぁ…あぁ…」

「おい、俺の女になるなら助けてやってもいいぜぇ」

『あなた私に手を出したらただじゃ済まないわよ』
「あぁん?」
『上海中の裏社会を敵に回す度胸があるのかしら?』

「へへ、ヤケドするってか?お前みたいな上玉ならヤケドするくらいは構わねぇぞ…!」


『……っ!』


「あちゅいっしゅ!」

『あれ?ヤケドしたかったんじゃないの?』

「チー!」
「ポ、ポン!」

「はぁ!?テメェは…!」

『泣き散らすんじゃねぇよ』

「リーチ…ロォォン!」

『はい、ご苦労さん』


「ワッショーイ!」


「ウッヒィ、もう逃げられんどー」
『そうみたいだわねぇ…』

『ヘッ!』

「な、なんだと!?」

『バーカ!まんまと引っかかりやがって』

「貴様!目録はどこだ!?」

『やっぱり希望の目録を狙ってエリカを…!』

「どこだー!言えー!」

『そらっ!』


「このドチビが!少しはやるなぁ」

『兄さんとの約束は絶対に果たす!』

『ハァ…!』

『ホアタッ!』



『くっ…なんで当てた俺の方が…!』

『オラッ!』


「ごっつあんです」

『ダッサァァー!』


『あれ…避けたつもりなのに…くっそ…!』


『アッパァァ!』

『うわぁぁああああ!』


『ぐっ…なんだか力が抜けてく…まさかコイツ俺の…』

『あーあ、密告したお礼なんて1つも貰えなかったカバ』
『まさかご苦労の一言で終わるなんて…』

「いたぞ閻王だ!」
『ん?』

『ホワァ!』

『カバババ!』

『兄貴の作戦大失敗カバ!軍隊をぶつけたって閻王のやつへっちゃらカバよ!』

『さすが閻王だな。俺が見込んだだけはあるぜ』

『ん?』
『再び…』

『その変な頭…どっかで見たことが…』

『俺の頭のどこが変なんだ!?へ、変じゃないよ?なぁカバ?』
『そうカバ』

『ちょっと硬くて重い以外、変じゃないカバ!』

『あ、思い出した!テメェはカッパの田!あれ?確か死んだんじゃ…』

『それは兄貴だ!』

『えっ弟…いたの!?』

『いちゃ悪いか!?』

『俺様はなぁ上から読んでもデンガクデン、下から読んでもデンガクデン』

『ここで会ったが百年目!兄貴の仇、今こそ討たいでかっカッカッカッカ…』

『首ガク田!』
<ボキッ>

『なんでこんなことになるカバぁぁああ!』

『おっ、いけねぇ!玉玲さんやエリカを探さねぇと!』

「くそ、どうすればいいんだ…あの小娘がいないと目録が手に入らんど!もしこれがシメオン様に知れたら…」

『手に入れたか?シャムラ』

「シメオン様!も、申し訳ありません…逃げられまじだ…』

『ほぅ…何のために貴様をドイツ軍に潜入させたと思っている』

『ゴイッ!オイッ!ドゥ!』

『シメオン様この男は連中の仲間、利用できます』
『ふん、なるほど。シャムラ其奴を連れてこい』
「ははっ!」

『シメオン様ならば勾玉も合わせて…』

『あ…』

『くっ…!』

『もう踏んだり蹴ったりカバ…兄貴これからどうするカバか?』

『うるせぇな!今は逃げるのが…』

『おぉっと!』

『テメェどこに目つけてんだ』

『……』

『んん…?その入れ墨…極十字なんとかの拳法使いが入れてるって噂の…』

『そいつは別名”七面鳥鬼”と呼ばれているカバよ!』
『美味そうな名前だな』

『違う!死鳥鬼だ!』
『あいったカバ!』

『おい!その極十字聖拳の使い手、流飛燕の居場所を知らないか!?』

『そ…そんなの知らないカバ…』

『ん?飛燕?』

<バカヤロー!今ケンさんはな亡くなったギーズや飛燕のために戦ってんだぞ!>

『なぁテメェどうしてそいつを探してんだ?恨みでもあるのか?』
『いや、オラァは飛燕の兄ぃに…』
『兄?』
『お前には関係ねぇだろ!』

『へっへっへ、その男死んだって聞いたぜ』

『なっ…!』

『ふふふふふ…』

『はっ!』

「ん?」
「お前さっき青幇の連中と一緒にいたな」
「奴らの仲間だな?」

『その子に手を出すな』
「貴様裏切り者の…!」

「ウナギノ…!」

「カバヤキ…!」

『ふんっ!』

『チンピルマキュイ!』

『アローリャン!』

『どうして私を…』
『見つけたからだ。俺の新たな生ける道を』

『これからは俺がお前を守る』

『ケンさん!玉玲さん!』
『葉さん、怪我をした者たちは?』
『大丈夫です みんな逃げ延びました。それとエリカも無事です』

『良かった…』
『今ヤサカと一緒に屋敷へ向かってます』
『羅門は?』
『それが途中ではぐれたみたいで…』


『一度戻りましょう。ここいらは政府軍がうじゃうじゃいて動きにくくてしょうがねぇや』


『はっ…!』

『うっ…うぅっ…』

『羅門が…羅門が私のために身代わりに…』

『エリカ…』

『ん?』
<スンスンスン>

『うっ…うぅ…』

『子英!』
『どうしたの?』
『誰にやられた?』

『ドイツ軍のデカイやつに…』

『えっ!?』

『あいつ羅門と引き換えにエリカと勾玉を差し出せって…』

『ヤバイぜ…あいつすげぇエリカや目録にこだわってた…。羅門に何しやがるか分かんねぇよ…』

『子英!おい!』

『子英…羅門…また私のせいでみんなが…』



「ぐふっふっふ…うっふっふふ、うはははは!」






敵の強さを表すために、そいつにやられる役目を持ったそこそこ強い味方がいる気がする(今回はラモン) ケンシロウは圧倒的に強いから、ピンチにさえなかなかならないし。
2018/06/12 01:00:08

北斗の拳はやられた敵が奇声あげて頭や体がパーンてハジケ飛ぶからインパクトあるが蒼天の拳は奇声あげてもどこからか血を拭き出してやられるだけなのが物足りない
2018/06/12 00:53:37
つぶやきボタン…
それぞれ託された思いのために動いてるのはカッコいいね
子英も自分にできることを考えて羅門を助けようとしたのかな?
個人的にはその子英の頑張りをちょっと見たかった気もする
でもエリカからすると自分のせいで…って苦しい立場かも
あと途中で出てきた極十字聖拳の子も気になるね
飛燕を探して来たみたいだからヤサカとぶつかりそうな気も…
というかこういう形で田楽伝が絡んでくるんだねw
子英も自分にできることを考えて羅門を助けようとしたのかな?
個人的にはその子英の頑張りをちょっと見たかった気もする
でもエリカからすると自分のせいで…って苦しい立場かも
あと途中で出てきた極十字聖拳の子も気になるね
飛燕を探して来たみたいだからヤサカとぶつかりそうな気も…
というかこういう形で田楽伝が絡んでくるんだねw
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「蒼天の拳」第10話
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コメント…2018年春アニメについて
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- 2018年06月12日 20:57
- ID:gMdV6jo60 >>返信コメ
- 1かな?
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- 2018年06月12日 21:12
- ID:Mk.TTXHh0 >>返信コメ
- 2!
-
- 2018年06月12日 23:57
- ID:gALcnQSu0 >>返信コメ
- そもそも中国語で「田」と「伝」は発音が違(ry
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- 2018年06月13日 00:04
- ID:geH1tigu0 >>返信コメ
- アンケート草
-
- 2018年06月13日 00:27
- ID:c3vAVLKu0 >>返信コメ
- 天斗聖陰拳は気を操るって言ってたし
霊王が北斗孫家拳でやってたようなことがナチュラルにできるんだろうね
どうでもいが田親分(弟)、あんた自分が中国人だってこと忘れてないかw
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- 2018年06月13日 00:32
- ID:WWI56due0 >>返信コメ
- これは面白くなってきたな〜本題に入って物語が加速してきたって感じ
ヤバイ巨漢にとっ捕まった羅門、絶対死なないとは思うけど大丈夫だろうか
そしてヤサカもいよいよ飛燕の後任に、連載中の漫画に繋がらなきゃいけないから死にはしないんだろうけどなんだか死にそうな立ち位置だ……
飛燕って兄弟子だったのか!極十字聖拳の子エンドロールでは少年だったけどお顔は女の子に見えるなぁ素顔が気になる、いずれヤサカとカチ合うことになりそうだけど一体どうなるのか
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- 2018年06月13日 01:15
- ID:TuMiJ89V0 >>返信コメ
- 中村じゃなくて杉田だよww
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- 2018年06月13日 01:19
- ID:CyRg50OK0 >>返信コメ
- ここのこめの 声優の名前を叫んで死のうとするな に草
じゃあ俺は すみぺは世界一毛深いよ にするか
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- 2018年06月13日 04:02
- ID:U.zFqFU20 >>返信コメ
- デカイ筋肉は弱いの法則が崩れた
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- 2018年06月13日 04:27
- ID:acMu1nyN0 >>返信コメ
- フォッ↑フォッ↑ カバwwwwww ワルブレローリング笑った。
どんな断末魔だ。 上から読んでも下から読んでも田楽伝さんの名前を覚えてしまったな…
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- 2018年06月13日 09:42
- ID:15G1HtL60 >>返信コメ
- 原作にないアニオリになったらつまらなくなるものなのになんで面白くなってんだよコラァ!
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- 2018年06月13日 12:20
- ID:hnuyCv9X0 >>返信コメ
- アニオリの文句は俺に言えぇ!!
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- 2018年06月14日 09:15
- ID:bWCigxzq0 >>返信コメ
- 敵は死ぬときに面白いこと言って死ぬものってお約束はアニメ北斗の拳からの伝統だからね
原作北斗の拳での断末魔はべつにウケ狙いの奇声じゃなかったのにね
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- 2018年06月15日 09:21
- ID:P98r8yIn0 >>返信コメ
- 声優さんの名前を叫んで死のうとする奴らワロタ
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