第11話「囚われのゼロ」
『うーん…』
『ハッ!』
『イヤ…やめて。お…お願い、やめて。お願い!』
『あっ…イ…イヤ!お願い、やめ…』
「フッ」
『イヤー!』
『ハッ!ご主人?』
『あっ…』
『あっ…おはようございます』
『ああ。おはようゼロ』
『ご主人、どうしたんですか?まだ朝ですよ』
『ゼロ。人は朝起きて夜眠る生き物だよ』
『ご主人の口からそんな常識的な言葉が聞けるとは…世界が終わるのでしょうか?』
『アハハハッ。たまたま目が覚めただけだよ』
『朝から心臓に悪いです』
『グエッ…』
『では朝ご飯の支度をしてきます』
『ああ。俺は大丈夫だから』
『えっ?食べないんですか?』
『うん。ちょっとやぼ用があってね。じゃあ出かけてくるよ』
『ああっ…ほ…本当に朝ご飯食べないんですか?』
『うん。じゃあいってきます』
『ご主人?ご主人が朝ご飯を食べない日が来るなんて…やっぱり世界終了のお知らせなんですね!』
『あっ?』
『ん?』
『あーん!』
『絶対おかしいです。あのご主人が早起きしたんですよ?しかも自発的に』
『そんなに心配することないんじゃない?用事があって出かけたんじゃ…』
『ウソに決まってます』
『いつもそんなに起きないの?』
『顔に水滴落としても、眉間にレモン搾っても起きません』
「どういう起こし方してんだよ」
「行き先も言わなかったんですか?」
『“やぼ用”ってだけです』
「男が行き先を言わないのはエロいことぐらいしか…ギャー!」
『次はこっちですよ』
「血が!血が止まらないー!」
『ダメよゼロちゃん!死んじゃう、死んじゃうから』
「確かに変ですね。因又さんらしくない。何か特殊な事情があると考えた方が…」
『と…特殊な事情?』
「起こされず朝早く起きる。朝食はいらない。そそくさと出ていく。カレンダーに秘密の印。これだけの状況証拠がそろえば、考えられることはただ1つ」
「ああ。私にも覚えがあるぞ」
『やめてよ!パパまでそんなこと言いだすなんて』
「社会人なら誰でも経験があるはず」
『イヤー!男なんてみんな不潔よ!』
「それは…」
『イヤー!』
「ゴルフ!」
「女!ギャー!」
『もう信じらんない!』
「血が!血がー!」
『カレンダー…あっ、そういえば』
『えっ?』
『そういえば、カレンダーに何か書いてありました』
「何て書いてあったんですか?」
『こんな字です』
「あっ」
「もしかして拾因さんのことでは…」
『あっ…』
『拾因…』
『ゼロちゃんは拾因さんと会ったことはないの?』
『ないです。ご主人と会った時には、もういなかったです』
「因又さんとはどこで?」
『ゼロとご主人は…』
「ゼロ号!そいつを捕まえろ」
『あっ…』
「やれ。何をボーッとしている。またこれを食らいたいのか」
『しょ…承知しましたあるじ様!んっ…』
『絶望の目…』
『あっ…ああ…』
『笑って』
『えっ?』
『大丈夫。俺はある人に頼まれて来たんだ君を見つけて、ずっと守っててって』
『ああ…』
『フフッ』
『ゼロちゃん?』
『ナンパです』
「えっ?」
『フンッ!きっかけはナンパです!』
「ええー?」
『ど…どういうこと?ナンパって…』
「いやまさかそんな」
「やっぱりそうか。あいつロリだったんだぜロリ。どうりでおかしいと思ったぜ」
『そんなわけないじゃない』
「うーん…大きくなったなゼロ号」
「えっ!?」
「騒ぐなら帰ってくれ」
『えっ?タブ?』
『えっ…知り合いなの?』
「行け」
『よし』
「人間の世界に帰るといい」
『俺たち、また会える?』
「たぶん…もう会わないよ。約束を忘れないでくれよ。ヨウ」
『あ…』
「もしこの子に会ったら…ずっと守ってやってくれないか」
(依頼を押しつけられて…拾人者になるなんて、言った覚えはなかったのに)
『ただいま帰りました。あっご主人!帰ってたんですか!』
『あっ…』
『4年か。イン、また来年も来るね。さて、そろそろゼロが心配する頃かな?』
『ハッ…』
「おかえりゼロ号。久しぶりだね。おっと、後ろを見るがいい」
『うっ!』
「君の手の内ならすべて知っているよ」
『出ていってください!』
「今何と言ったのかなゼロ号」
『そこはご主人の席です!』
「どうして私がここにいるのか。そんな顔をしているね」
『出ていってって言ったでしょ。そこはご主人の席だって!』
『ハッ!』
「何か勘違いしているようだね。お前のあるじはアングラーの因又ではない」
「この私だよ。4年前も今も、お前のあるじはこの私ただ1人だ!」
「フッ…これが何だか分かるな?懐かしいだろう。まあ新型だがな。久々に着けてみるか?」
『ゼロはもう実験体にはなりません』
「そう言うと思っていたよ」
『えっ…?』
「だがこれを見て同じことが言えるかな?」
『ハッ!ここは…』
「うーんマズい。このままだと今月も売り上げが…ん?」
『な…何をする気ですか?』
「さて。それは君の返事次第だ」
『えっ?』
「フッ」
(さてはまた万引きだな。よし)
「お客さん。何かお探しですか?冷やかしなら帰ってくださいよ。他のお客に迷惑ですから」
(って誰もいないけど)
「やめて…」
「えっ?」
『やめなさい!』
「どうする?昔に戻ると約束するかね」
『うっ…そ…それは』
「悩んでいる時間はないよ」
「やめてやめてやめて…」
(な…何言ってんだこいつ。気分が悪いなら病院に行ってくれよ)
『やめなさい!彼に何かしたら絶対に許しません』
「それはお前の返事次第だと言ったはずだが」
『卑怯者』
「おい返事しろよ」
「やめてやめてやめて…」
「さっさと出ていかねえと警察呼ぶぞ!警察!」
「時間切れだ」
「おい!」
「やめてー!」
『ハッ…』
「さてゼロ号。お前のあるじはアングラーの因又か?それともこの私か?」
「ゼロ号!まだ分からないようだな」
「うっ…どうした!」
「何だ?」
「お待たせいたしました」
「もう一度聞くぞ。お前のあるじは誰だ!因又か!それともこの私か!」
『あなたです』
「よろしい」
『ただいまー』
『ハッ!』
「4年ぶりだね因又。私のことは覚えているかね?」
「そこのガキ!どこから入った!」
『ああ?』
「どうやって怪物を手なずけた。出ていけ!私の実験の邪魔をするな」
「部屋を汚してすまない。それと、勝手にゼロ号も連れ出して」
『ハッ…』
『あっ…』
「何をモタモタしている。また電撃を食らいたいのか!」
(生きることがこんなにも苦しいなら…もういっそ…)
(あいつに殺されれば楽になれる!)
『あーもううるさ…』
『あっ…』
(ご…ごめん…イン…俺…依頼の途中だけど…ここまでみたいだ…)
「安心したまえ。ゼロ号は無事だよ。ああそうだ、他の連中はどうしたかな?」
「早くどいてください、通行の邪魔です!聞こえてるでしょ?いいかげんにしてください!」
「はい。お待たせいたしました」
『だからパパ。それだと費用対効果が…』
「しかしだね…」
『ん?何?ここは立ち入り禁止よ』
『何をするつもりだい?』
「ハハハハ…これは単なる前座だよ」
『前座?』
「そう。君に対する復讐のね」
『うるさいなあ。この怪物を見習いなよ。マグメルの生物は自分より強いものには逆らわない本能を持っているんだよ』
「本能?意味不明なことを抜かすな。ゼロ号!そいつを捕まえろ!」
『あっ…』
「やれ!何をボーッとしている!またこれを食らいたいのか!」
「あっ…」
「なっ…」
「んん?あいつラクターか」
『人を人として扱わないヤツは…もう人とは呼べないね』
「うっ…」
「いいかげんにしてくれ!クソッ」
「分かっているだろ?本番はこれからだって」
『ああ…』
「待っているよ因又。君が私のすべてを奪ったあの場所でね。もっとも無事でいられたらの話だが。ハハハハ…」
「うっうう…」
「うわー!」
『ああっ…』
「行け」
「フフフフ…アッハッハッハ…」
@kokonosoken
ゼロちゃんを狙うロリコンおじさんは見た目からしてキマってて危なさそうだったな。けど、ゼロちゃんのそそる表情を引き出したのは評価したいですね。なぜか脅しの材料に田伝オヤジが使われてたのはきてしまったな。
2019/06/16 22:29:29
ゼロちゃんを狙うロリコンおじさんは見た目からしてキマってて危なさそうだったな。けど、ゼロちゃんのそそる表情を引き出したのは評価したいですね。なぜか脅しの材料に田伝オヤジが使われてたのはきてしまったな。
2019/06/16 22:29:29
「懐かしいだろ」
『帰りたい…帰りたいですご主人』
「我が家に帰ってきた気分かい?ダメだねゼロ号」
『力が…』
「まさかとは思うが、ここから出られるなんて思ってはいないだろうね」
『ご主人…どうすれば…』
「いいものを見せてあげよう」
『な…何をしているんですか』
「残念だったね。私が生きていて」
『あっ…ああ…』
「やれ」
『イヤー!』
『次回“絶望”』
つぶやきボタン…
ついにゼロの過去が明らかに…
男の名前は呼ばれてなかったけどバートンというらしい
ゼロにとってはいつの間にか田伝たちのことも大切になってたんだな、フォークは投げるけどw
珈琲屋はマグメルから帰ってきてた?
人間爆弾に使われてるのは第1話に出てきた虫と同じか
最終回間近で本筋っぽい展開になってきたけど次回さらに追い打ちが!?
男の名前は呼ばれてなかったけどバートンというらしい
ゼロにとってはいつの間にか田伝たちのことも大切になってたんだな、フォークは投げるけどw
珈琲屋はマグメルから帰ってきてた?
人間爆弾に使われてるのは第1話に出てきた虫と同じか
最終回間近で本筋っぽい展開になってきたけど次回さらに追い打ちが!?
群青のマグメル 11話 感想
ヒトコト投票箱 Q. 朝起きて夜眠る? 1…毎日そうしてる
2…大体そうしてる
3…バラバラ
4…そうなる日のほうが少ない
5…そうなる日はほぼない
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コメント…2019年春アニメについて
-
- 2019年06月17日 13:22
- ID:2NO92UKN0 >>返信コメ
- アニメ・映画・ドラマ、どれも止めを刺せるときに刺さないからこうなる。
-
- 2019年06月17日 13:50
- ID:QSvA0Ysc0 >>返信コメ
- 不殺プレイしてるわけでもないのになんで爺生かしてたんだろうな
人間は殺さないとかそういう口?でも今までの話見ると場合によっては普通に殺しそうだしよくわからん
-
- 2019年06月17日 13:58
- ID:IuY1kI6J0 >>返信コメ
- 原作の過去編すらこうも改変しちゃうのかー……
-
- 2019年06月17日 14:03
- ID:VWeRmsQw0 >>返信コメ
- なんか悪役っていう役割のために作られただけのキャラって感じがする
単にまだあるじ様の背景に触れられてなくて暴虐ぶりだけが描かれてるからそう感じるのかもしれないけど
-
- 2019年06月17日 14:33
- ID:HBN33u5H0 >>返信コメ
- ほうお。
-
- 2019年06月17日 15:01
- ID:fstvCzZj0 >>返信コメ
- ギャグキャラクターまで狙うというタブー
ユートピアドーパントを思い出す
-
- 2019年06月17日 15:34
- ID:cBXcGzhv0 >>返信コメ
- 唐突に悪キャラ出てきたな
-
- 2019年06月17日 19:33
- ID:VrqRosKN0 >>返信コメ
- ありゃりゃ
視聴理由の9割9分9厘9毛はゼロちゃんを愛でることだったんでこのシリアス展開はギャーといった感じ。まあ原作もそうなんだろうから仕方ないが。早くゼロちゃんの笑顔が見たいゼ。
-
- 2019年06月17日 19:35
- ID:tC1Zp0sS0 >>返信コメ
- これビデオレターで慰み者になってるやつじゃん。薄い本で100遍はみた展開
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- 2019年06月17日 20:30
- ID:dlO3Ffbt0 >>返信コメ
- 原作がかわいそう
-
- 2019年06月17日 20:49
- ID:CnQjda2B0 >>返信コメ
- マグメルと関係ない展開でいみふ
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- 2019年06月17日 22:26
- ID:Gq1Mou0O0 >>返信コメ
- >>3
原作だとどうなっているんですか?
マンガは近場の書店だと売り切れで、買えたとしても読む時間がないんですよね... ...
-
- 2019年06月17日 22:28
- ID:Gq1Mou0O0 >>返信コメ
- >>2
「コイツには殺す価値すらねぇ」とでも思ったのでは?
もしくは「こんだけボコったんだからもう反省しただろ」とか。
-
- 2019年06月18日 01:25
- ID:50kjrzvU0 >>返信コメ
- >>12
×売り切れ
○実は仕入れてない
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- 2019年06月18日 02:36
- ID:4FsmZRXd0 >>返信コメ
- どーせ、田伝おやじ達生きてるんだろ
-
- 2019年06月18日 06:03
- ID:INaWOOw50 >>返信コメ
- >>12
過去部分に関しては一応ほぼ原作と同じですが、ヨウは「もう人とは呼べないね」の直後にゼロのいた施設を爆破して壊滅させてます。
あるじ様含むその他モブは直接的な描写はないものの、多分死んだんだなと思わせるような流れで現代には一切出てきません。
そもそもゼロの過去回は「昔は辛かったけど今はヨウと一緒で幸せ」的な対比で描かれていて、読後感がとても良い神回と言われてます。
マグメルのコミックスは途中(1~4巻)までしか書籍版が出ていないので、あまり置いてる書店はないのではと思います。
そのため原作を読むには電子版を購入するかジャンプ+の連載を追うかのいずれかになりますね…
ジャンプ+のアプリ版なら初めて読む場合は課金無しで読むことができますよ。
ゼロの過去回は42話ですが、41話と繋がっているのとアニメとは本当に全然違うので最初から読むのをおすすめします。
原作の回し者と思われそうですが、原作のゼロが本当にかわいいので気になった方は是非読んでください…!
-
- 2019年06月18日 07:49
- ID:ojlKUo920 >>返信コメ
- 「ずっと守って」と言われてたんだからゼロ連れてけよと思ったり
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- 2019年06月18日 08:16
- ID:o4oenp1v0 >>返信コメ
- 「見るべきです」がないとは。。。
-
- 2019年06月19日 16:59
- ID:8NPbD.yU0 >>返信コメ
- >>16
自分はアニメから知ってジャンプ+アプリ原作を読んでハマった勢で、原作のこの話(食い倒れデート会)も大好きです。
話もいいけど、2人の衣装がいつもと違っててイイ!
ゼロは女の子らしくて清楚だし、ヨウの半そでTシャツにジーパン帽子無しという、ごくごくフツーの格好が逆に新鮮でカッケーし。
この辺の話(41話〜43話)なら、他の話よりは読み切り感覚で読めるのでおススメです。
アニメの過去編は飛ばし飛ばしで残念だけど、子供時代のかわいい2人が見れて良かった。
-
- 2019年06月24日 20:17
- ID:.d07vVvz0 >>返信コメ
- >>8
原作はただひたすらに熱い少年ジャンプしてるで
…コメントについて…
※お気軽に、どなたでも書き込みOKです。
※「>>〇」「※〇」のようにコメント番号を指定することでアンカーの指定が可能です。
※コメントの書き込みが出来ない等の不具合報告やコメント削除依頼は、コチラより一言頂けると有難いです。
※お気軽に、どなたでも書き込みOKです。
※「>>〇」「※〇」のようにコメント番号を指定することでアンカーの指定が可能です。
※コメントの書き込みが出来ない等の不具合報告やコメント削除依頼は、コチラより一言頂けると有難いです。
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