第3話
繁華街で暴れて逮捕された男のアパートから、白と青の2錠1セットになった謎のドラッグが発見された。十数年前に一時的に出回った「プラス」と成分が似ているが、詳細な情報は不明。一方、泉は桧山からスタンド候補者のベストセラー作家・都築 誠を紹介され、捜査一課の荒木田蒼生と共に会いに行く。だが、誠はマトリを信用してないとバッサリ。後日、再度説得しようと向かった泉は、誠の弟で若手人気俳優・都築京介と出会う。
脚本:ハラダサヤカ 絵コンテ:山本秀世 演出:石井久志 作画監督:佐野陽子・後藤孝宏・笛木優奈
脚本:ハラダサヤカ 絵コンテ:山本秀世 演出:石井久志 作画監督:佐野陽子・後藤孝宏・笛木優奈
今大路『見た事もないドラッグですね…新種でしょうか?』
青山『持ち主は?』
朝霧『昨夜繁華街で暴れていたところを逮捕されています。話を聞きたいのなら署の方へどうぞ』
今大路『では僕が』
青山『頼む。こいつは…孝太郎に調べさせる必要がある』
菅野『あの桧山氏から次のスカウト対象を紹介してもらうとかやるねぇお前』
『ベストセラー作家か~。セレブの交友関係半端ないな』
『今回は菅野君が同行してくれるんだよね?』
『ごめん!急ぎで作んなきゃいけない報告書が溜まってて…』
菅野『だから今日は他の人に…』
『…マトリの人達は?』
『別件で逮捕された男が新種の薬物を所持してたって朝からバタバタしてて…たしか朝霧さんの現場だよ』
『ああ…あれか』
『なら一人で行っちゃえば?仕方ないでしょ』
『最初の挨拶だけは誰か連れて行けって青山さんが…』
『ほーう。都築誠…ね。感動小説の神様だっけ?』
『確か蒼生ファンじゃなかった?』
『そ…そんなんじゃないです…』
『えっと…なんだか意外なご趣味ですね』
『うるせぇ』
『す…すみません』
泉『あの…少し疑問なんですけど。都築さんは若くして数々のベストセラーを生み出されている小説家ですよね』
泉『売れっ子俳優として活躍している弟の京介さんもスタンド候補にリストアップされています。作家さんや俳優さんに事件の捜査を手伝ってもらうことって警察ではよくあるんですか?』
『スタンドはこれまで試みた事のない捜査方法を実施することも目的としている。俳優の方はともかくとして都築先せ…都築誠は犯罪者プロファイリングのアドバイザーって位置づけらしい』
泉『プロファイリング…ああ。都築さんって昔は犯罪小説も書かれてたんですよね』
荒木田『それこそ俺達警察が参考書にできそうなレベルのな』
『なら協力してもらえたら心強いですよね!』
『はしゃぐな。遊びじゃねぇんだよ』
『あ…すみません』
荒木田『だいたいどこまでアテにできるかわからない。都築誠が何本連載を抱えてるか調べたのか?』
泉『でも最近週刊誌に出てましたよね。引退説…とか』
『週刊誌の記事なんかいちいち真に受けんな』
『あ…はい』
『そんな不確かな情報でターゲットに接触するつもりか?遊びじゃねぇんだぞ』
『すみません!』
『あの…都築誠さんとお約束をしている泉と申しますが』
「伺っております。どうぞ」
《はい…》
『初めまして。桧山さんからご紹介いただいた泉と申します』
『都築誠です』
『つまりですね。都築さんの類稀なる観察眼と人の心理を読み解く才能を是非お貸しいただけないかと…』
『もう結構』
誠『何の面白みもなく落胆する程凡庸で想定内。その上ステレオタイプな一般論で俺の才能だと持ち上げるようではこの後出る誘い文句も知れてる。わざわざ来ていただいて申し訳ないがお引き取り願いたい』
『荒木田さん…』
『…』
『あの…私に至らない所がありご気分を害されたのでしたらお詫びします』
『ですが失礼があったまま帰るわけにはいきません。どうかもう一度話を聞いていただけないでしょうか?』
『…申し出を受けかねる理由は二つ。まずは仕事上の理由。とにかく今は忙しい。理由あって手元にある連載を全て畳もうと思ってる』
誠『こちらの都合でやめる以上読者の納得のいく理由を誠意を尽くして書き上げなければならないと思ってる。とても副業を引き受ける余裕はない』
『そしてもう一つは至極私的な理由。俺はマトリのことを信用していない。無能だと思ってる。この件にマトリが絡んでる限り協力する気は一切ない』
『本人の前であからさまにがっかりした顔すんな』
『すみません…だけどあんなにはっきり言われたらさすがにショックで…』
『その割には図太いな。また来ますって資料を押し付けてきやがって』
今大路『これが押収したドラッグです』
今大路『所持していた男を取り調べましたが彼いわく「ハマらない薬だから安全」なのだそうですよ』
青山『孝太郎。成分の解析は?』
由井『進めている。それで少し気になることがあって』
由井『この薬物、マトリのデータベースに残っていたあるドラッグと成分が似通っている。通称プラス。十数年前一時的に出回ったことがあるドラッグのようだ』
夏目『どんなドラッグなんですか?』
由井『不明だ。残っていたのは成分分析の結果のみ。それも不完全で低レベルなデータだ』
由井『詳細な情報はどこか別の場所に保管されているのかもしれないが…』
関『わかった。由井は引き続き薬の分析を続けてくれ。夏目はもう一度データベースをさらってみてくれるか。プラスに関する情報がないか隅から隅までくまなくな』
夏目『そんな途方もない事を…孝太郎さんが見つけられなかったんでしょ?』
由井『君の信条は定時退社だろ?勤務時間内くらいは馬車馬のように働くといい』
夏目『ちょっと!』
泉『あの…私にも何か手伝えることは…』
青山『お前はスカウト業務が優先だろ』
『泉。都築誠のスカウトうまくいかなかったか?』
『好感触ではなかったです…』
『なかなか付き合ってやれなくて悪いな』
『あ…いえ!大丈夫です。荒木田さんにも図太いとお墨付きを貰ったので!頑張ります!』
『決める権利は俺にはない』
『なんでいつもそうやって…』
『わかったよ!あ…』
『へぇ。君があのスタンド…の資料を押し付けて行った人か。マトリなんてかっこいいね』
『あ…ありがとう』
『そんなに身構えないでよ玲さん。俺の事は京介でいいよ。よそよそしいのはなしね』
『あれ?もしかして引いてる?』
『あ…ううん。なんていうか都築さん…お兄さんとはあまり似てないから』
『よく言われる。兄貴は出来がいいから』
『そういう意味じゃ…』
『知ってる。ごめん。さっきは恥ずかしいとこ見せちゃって。兄貴との約束もリスケさせちゃってごめんね』
『それは…元々そんなに歓迎されてないから』
『世界の真ん中で恋をするって兄貴の小説なんだけど実はドラマ化の企画があってさ。俺に主演のオファーが来たんだ』
『でも兄貴から映像化NGが出たって。連載畳むつもりだからメディア展開は考えてないっていうのが理由らしいけどあんまりあっさり断ってくれるもんだから頭にきて問い詰めちゃった』
『京介君は出たかったんだ』
『もちろん。兄貴の作品に役者として貢献できるチャンスなんてそうそう巡ってこないしね』
『でも何の相談もしてくれなかった。連載やめることだっていろいろ言われてるけど心配するなの一点張り。弟なんだから心配ぐらいするよね…』
『仲がいいんだね』
『うん。俺達兄弟のつながりは特別なんだ』
『妹…?』
『早…え!?』
『誠さん…』
『どうしてここに?』
『それは…』
『玲さん…と兄貴?』
『後は任せていいか。急ぎの仕事を残してきたんだ』
『勝手にごめんなさい…妹さんのこと調べたりして…』
『いいよ。そりゃびっくりしたけどさ。別に隠してたわけじゃないし』
『今日はもう寝ちゃったみたい。残念。会ってほしかったな。いい子だからさ』
泉『交通事故に遭われたって…』
京介『うん。16年も前にね。それからずっとこの状態。後遺症を抑える薬のせいでほとんど眠ったままなんだ』
京介『運転してた奴はヤク中でその時も中毒症状が出てたんだって。事件を担当してた刑事さんが教えてくれた』
京介『でもその後は大人の事情ってやつかな。犯人のこともそいつが使ってた薬物のことも何もかも有耶無耶のまま未解決。沙良のことはみんななかったことになった』
誠『薬物を憎む気持ちは兄貴も玲さんと一緒だよ。だけどあの時マトリは何もしてくれなかった』
『ごめんなさい…』
『玲さんが謝ることじゃないって。ただ兄貴を引き入れるのは難しいかも。他人に助けなんか求めないし大抵の事は自分一人でなんとかしちゃうしね』
『兄貴は誰にも頼らない。俺も必要とされてるってそう感じてる事ないかも』
『え…名無し事件ってどこかで…』
『名無し事件って知ってるか?』
『あ…槙君が犯人に誘拐されたっていう…でもどうして薬物事件がヒットするの?』
『名無し事件の概要…都内某所にて身元不明の変死体が発見された』
『事件には麻薬密売が絡んでると囁かれており当時ある密売組織を厚生労働省がマークしていたと言われている』
『その組織のトップに君臨するのが医学界の権力者達。あの九条家も名を連ねているという噂』
『九条…あっ!』
『薬物が絡んだ事件の当事者がこんなに…気にし過ぎ…だよね?』
『あの…』
『失礼します』
『誠さん!』
『すまない…が…今日…』
『誠さん!誠さん!』
『兄貴が!?』
『やっぱり救急車を呼びましょうか?』
《いや…眠ってるならいいよ。明日病院に行くよう言うから。過労、貧血、寝不足。心当たりは山ほどあるし》
『俺も撮影が終わったらすぐに行く。それまでは悪いけど…』
『もちろん。他に何かした方がいいことあるかな?』
《えっと…今日って木曜だよね?出版社の人が来るかもしれないんだけど…》
『お邪魔します…』
『これだ…』
『あ…』
『誠さん!よかった…勝手にお邪魔してすみません。京介君には連絡したんですけど…』『今何時だ…』
『あ…原稿のことなら大丈夫です。出版社の方にお渡ししておきました』
『はぁ…』
『でも…やめないんですよね?』
『何の事だ』
『書斎に入った時にPCが目に入ってしまって…あ!でもじっくり読んだわけでは…』
『読んだのか』
『すみません…』
『構わない。読まれて困るものでもない』
『なんだか今までの作品とは違った感じのお話ですね』
『当然だ。子供向けの冒険小説だ。俺が世間から求められてるものとは違うだろ』
『本当はずっと書きたかった。書かされてる作品じゃなく書きたい作品を。子供の頃あいつらが笑ってくれた、好きだと言ってくれたものだ』
『俺が物を書くのはいつだって二人のためだった』
『誠さんも京介さんと同じなんですね。京介君や沙良さんが大好きで』
『当然だ。何よりも大切だ…』
『そんなこと言ったんだ…兄貴』
京介『久しぶりに見たかも。寝顔なんて。小さい頃はいつも一緒にいたのにな…懐かしい…俺達兄貴が作る話に夢中でさ。何よりも大切で大好きだった』
『馬鹿だな…』
『いいの?起きてから何か食べられるものとか…』
『平気平気。あの人は栄養よりもまず甘いものだから』
『誠さんにはスタンドの件は一旦忘れてって伝えて。あの小説早く沙良ちゃんや京介君に読ませてあげたいんだと思うから』
『なんか玲さんには恥ずかしいとこばっかり見られてる気がする…かっこ悪いな』
『ふふ。お兄さん想いの男の子はかっこ悪くはないんじゃない?』
《照れくさそうに笑ったあなたはほんの少し子供みたいで》
《頑なな表情を向けるあの人とはやっぱりあまり似ていない》
《だけど慈しむ指先や優しく見守る眼差しはあの人の紡ぐ世界と同じように綺麗だと感じた》
泉『じゃあ私はこれで…』
『京介…君?』
『玲さん。俺にしとかない?』
『俺もスカウトの対象なんでしょ?』
『俺じゃあ…駄目?』
つぶやきボタン…
スカウト対象軒並み忙しそうな人ばかりだし忙しいで断られるのはしょうがないよね
さらにまたここで未解決事件
まぁそんなことがあれば信用できない、協力する気にならないのは仕方ないね
このスカウト業務が未解決事件解決のためにその関係者と接触するためのものなんじゃないかと思えてくる
そして最後に弟に迫られた
スカウト!スカウトの話だから!
さらにまたここで未解決事件
まぁそんなことがあれば信用できない、協力する気にならないのは仕方ないね
このスカウト業務が未解決事件解決のためにその関係者と接触するためのものなんじゃないかと思えてくる
そして最後に弟に迫られた
スカウト!スカウトの話だから!
「スタンドマイヒーローズ」第3話
ヒトコト投票箱 Q. 自分ならどっちを書く? 1…あんまり売れなくても書きたいもの
2…超売れるけどそこまで書きたいわけじゃないもの
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ヒトコト感想
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コメント…2019年秋アニメについて
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- 2019年10月22日 11:35
- ID:NeEK3h3D0 >>返信コメ
- 感動小説が官能小説に聞こえて団鬼六かと思ってしまった
いきなり妹さんの病室に行くのは図々しくないか?
-
- 2019年10月22日 12:40
- ID:gH7k9f1O0 >>返信コメ
- 弟も候補なのにガン無視して兄だけ攻略しようとした挙句自分から諦めた時は流石に真顔になったけど最後に弟が自分から寄ってきて吹いた
なるほどこれが焦らしプレイか
-
- 2019年10月22日 12:53
- ID:qd2NePEL0 >>返信コメ
- 時間とお金の無駄だよ(直球)
-
- 2019年10月22日 14:42
- ID:1jtnfqTi0 >>返信コメ
- アニメでどこまでやるのか分からないけど、みんなで協力して未解決事件を一個でも解決して欲しいなあ。
連携凄そうだし、せっかくのイケメンなんだもの、格好いいトコ見たいわ。
-
- 2019年10月22日 15:26
- ID:DLJcE9wP0 >>返信コメ
- 乙女ゲーの主人公って可愛い子多いな
鈍感系じゃなくて芯もしっかりしてる子が多い気がする
働く女性のパンツスーツ姿そそる
-
- 2019年10月22日 15:49
- ID:5iAqPbRj0 >>返信コメ
- スタマイじゃなく、マトリ側の話主体にすればよかったのに…
このままじゃ主人公が仕事で活躍することなく、男漁りしてると勘違いされたまま終わっちゃいそう…
-
- 2019年10月22日 17:48
- ID:r6u3rMS60 >>返信コメ
- ガチャってこうなってんのか
-
- 2019年10月22日 20:00
- ID:ql5YKcWW0 >>返信コメ
- 「君の信条は定時退社だろ?勤務時間内くらいは馬車馬のように働くといい」
正論だけど、今の時代言い難い言葉だよね
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- 2019年10月22日 21:51
- ID:e2ODm8NB0 >>返信コメ
- 「週刊誌の記事なんかいちいち真に受けんな
不確かな情報でターゲットに接触するつもりか」
と注意されたのにネットの情報を真に受けてる・・・。
つーか、マトリが事件の情報をネットで検索てどうなのよ。
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- 2019年10月23日 01:38
- ID:YPTaRjwH0 >>返信コメ
- 妹って薬で眠らされてるというオチなんじゃ………
-
- 2019年10月23日 03:36
- ID:xwwrqceD0 >>返信コメ
- >1
ゲームでは女友達とご飯の描写があった…はず。たしか。
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- 2019年10月24日 15:06
- ID:NiWMrjpt0 >>返信コメ
- >>1
前の職場の女性同僚と居酒屋に行く話とかある。
…コメントについて…
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