第9話「モノクローム」
『いない…』
(いつもみたいに研究が忙しいだけならいいけど。まさかシモンまで…)
<EVOLが暴走して私の前から去ったハク。あれから何度も電話しているが未だに繋がらない>
<キラはファンの暴徒化騒ぎを受けて突然の引退宣言。やはり連絡がつかない>
<ゼンも行方が掴めずケンさんやサイさんですらどこにいるか分からないというのだ>
<連絡のつかない4人に共通するのはEvolverだということ>
『お願いみんな…無事でいて…』
<だがその時にはもう目には見えない歪んだ力がこの町を覆っていたのだ>
<クイーン。その遺伝子を持つ者はEvolverと呼ばれる特殊能力者たちに更なる力を与え未来を開く。クイーンが真に目覚めるとき世界は進化を遂げるのか、あるいは…>
『これ全部 視聴者からの情報提供?』
『そうですー!』
『機能からこの調子で確認だけでも一苦労よ。中央病院でレントゲンを撮った患者が次々不調を訴えてるとか』
『こっちはスターリータワーのエレベーター暴走事件についてですね』
『でも結局エレベーターに一切以上はなかったんでしょ?』
『そうなんです。であそこは昔 墓地だったから幽霊の仕業じゃないかって』
『オカルトねぇ…』
『ちなみに俺の情報網によるとこの辺りに来るはずのない渡り鳥が飛んできたり、スマホやネットがなぜか特定のエリアだけ繋がらないって話で』
『それはさすがに関係ないんじゃないの?』
『えーなんでだよ?』
『どう思う?この一連の事件』
(昨日から起こっていることはどれもEVOLの暴走としか思えない)
『社長どこへ?』
『恋花大学!』
(忙しいだけなら研究室にいるはず。まずはシモンの安否を確かめて それから暴走事件に相談…)
『もう大丈夫だよ』
『シモン!』
『連絡がつかないから心配で大学へ行こうと思ってたの』
『ずっと研究で忙しかったんだ。ごめん行き違いになったね』
『僕も君の会社へ行こうとしてたんだ。不可解な事件が頻発してるって聞いたから』
『痛む?』
『ううん。全然平気』
『何かあった?』
『あっ…』
『言いたくなければ無理しなくていい。でもそれで君の心が少しでも軽くなるなら聞かせて欲しい』
『今起こってることは全部私のせいかもしれないの』
『じゃあその彼女は君がEVOLを目覚めさせ増幅する能力があるとそう言ったんだね?』
『進化はすべきだと思うよ。よりよい未来を想像するためには常に前へ進み続ける必要がある』
『君が厳しい状況や困難に屈することなく前進したからこそ危機に遭った番組も会社も存続し 今や拡大している。君の勇気が未来を切り開いたんだ』
『シモン…』
『そしてそのおかげでかけがえのない出会いもあった。だろ?』
『うん』
(本当にそうだ。どこかで諦めてたらきっと誰とも出会わなかった)
『前へ進むことは決して悪いことじゃない。むしろ素晴らしいことだ』
『でもそのせいでみんなが…たくさんの人が傷ついて…』
『その責めを負うべきなのは君を利用しているヤツらの方だ。君は何も悪くない』
『ありがとうシモン』
『あなたが無事だって分かって安心した。みんなが心配するからそろそろ会社に戻るね』
『君はバカだね。そんな見え透いた嘘で僕を騙せると本当に思ってるの?』
『えっ?』
『君が何をしようとしているか分からないほど愚かじゃない』
『僕の知っている君ならどんなに危険でも真実を追い求めてこの事態を止めようとするはずだ』
『だってこのまま何も知らないでいるなんてできない。心配しないで。1人で大丈夫だから』
『でも僕は大丈夫じゃないよ。君のことが心配なんだ』
『あなたまで巻き込みたくないの』
『それじゃ聞くよ。今 君の目の前にいるのは誰?』
『今回の暴走事件の調査に最適な専門家がいる。なのに素通りしていくつもり?果たしてそれはジャーナリストとして賢明な判断かな?』
『協力してくれる?シモン』
『もちろん』
<それから私たちはEVOLの暴走が原因と思われる事件のデータを徹底的に洗い直した>
『暴走事件の発生箇所はこの数ヶ所に集中している』
『EVOLの暴走を促す何かがここにあるってことよね?』
『目には見えないけどその何かが確実に私たちに影響を及ぼしてる』
『電磁波…。確か言ってたよね?このところ局地的な通信障害が起きてるって』
『ほらね。見て』
『事件が集中してる場所と通信障害の起こってる場所が同じ』
『ただの偶然とは思えない。ここから何らかの特殊な電磁波が発信されていて、それがEVOLの暴走を促し他の電波や地磁気に干渉しているのだとしたら…』
『通信障害も渡り鳥が迷子になったことも全て説明がつく』
『そっか。じゃあここを調べれば…』
『それは君が持っていて。僕がずっと使ってきた幸運のお守りだよ。君にあげる』
『そんな大切な物もらえないよ』
『これにはイリデセント。虹色って名前があるんだ』
『君は虹のような人。輝かしい未来への架け橋に君ならなれる。僕はそう信じてる』
『シモンありがとう。大切にするね』
『うん』
『行こう』
『電磁波で無作為にEVOLを暴走させているなら人々が多く集まる場所でないと。それでいて人目には触れない場所…』
『建築計画の見直しで工事がストップしているんだ』
『確かにここなら条件にピッタリね』
<だがそれは干し草の中から針を探し出すようなものだった>
『大丈夫?』
『うん平気平気。地道に探すしかないもんね。よし頑張ろう!』
『うっ…』
『どうかした?』
『何を…』
『シーッ』
『何か異常はないか?』
『よし行くぞ』
『あの…シモン、もう行っちゃったよ?』
『ありがとう。だけど正直驚いたよ』
『誰かが来る光景が見えたの。それで慌ててあんな…』
『あんな?』
『えっと…飛びかかるようなことしちゃって…』
『さっきの君は可愛かったな。でももう二度と見たくない』
『えっ?』
『約束して。危険な時はまず自分の身を守ることを優先するって』
『分かった。でも私もあなたを守りたいの』
『君が僕を?』
『まずはさっきのお礼をしないとね。何がいいか考えておいて』
『そんな。別にお礼なんて…』
『どうやらこれは受信機みたいだ』
『受信機?』
『恐らくこれと同じ物が他の場所にも仕掛けられていて、どこからか発信された電磁波を受信し拡散しているんだ』
『つまりこの機械自体が電磁波を発生させてるわけじゃなくてEVOLを暴走させる電磁波を流しているのは別にあるってこと?』
『そうなるね』
『事件が集中しているエリアの中心…これだけの広範囲に届く強力な電磁波を流せそうな場所…』
『恋花タワー』
『この町の中心に存在する最も高い建造物。暴走電磁波の発信源と見て間違いないだろう』
『だったら』
『どこへ行くつもり?』
『恋花タワー。大本の電磁波を止めた方が早いし確実でしょ?』
『確かにそうだ。けど無鉄砲に乗り込んでどうにかなるものじゃないよ』
『でもどうにかして止めなきゃ。ああやって子どもたちが安心して遊べる未来を奪わせたりなんかしない』
『凧揚げか』
『子どもの頃 大好きだったな。空を舞う凧がすごく自由に思えて』
『やったことないな』
『えっ?一度も?』
『じゃあ今回の事が解決したら一緒に凧を揚げに行かない?』
『その時は僕に凧揚げの仕方を教えてくれる?』
『もちろん。約束』
『あっ』
『さっきのヤツらだ。ここを離れるよ』
『逃げてシモン。アイツらの目的は私よ。だから…』
「見失った!」
『焦るな。まだ公園の外に逃がしてはいない』
『受信機を取られた。このままにしておくわけにはいかない。必ず捕らえる』
『ねぇシモンこのままじゃ見つかるのも時間の問題…』
『静かに。動かないで』
(けどこのままじゃシモンまで危険な目に…)
『シモンごめん。必ず暴走電磁波を止めてね。お願い』
『私はここよ!』
「あそこだ!」
「追え!」
『本当に僕を守るつもりなのか?どこまで君は…』
『本当にバカだね…』
『痛い目に遭いたくなければそこから動くな』
『放して!放せこの!』
「大人しくしろ!」
『偉大なるクイーン。我々もあなたに危害を加えたくはない。ですがハデス様の計画を邪魔するというのなら話は別だ』
『ハデス!?やっぱりこれもブラックスワンの仕業なのね!?恋花タワーから暴走電磁波を流して受信機であちこちバラまいて!』
『進化の先に待つEvolverの新しい世界のためだ』
「うわっ!」
『はっ!』
『無駄だ。私が誰か知らないわけではないだろう』
『相手が誰だろうと作戦の邪魔をする限り止めなければなりません。それはたとえあなたであろうと同じだ』
『アレス!』
『えっ?』
『ならば私がクイーンを拘束する。お前たちは手を引け』
『今はまだ彼女を失うわけにはいかないだろう。ハデスにとってもクイーンは計画に必要な駒のはずだ』
『どういうこと…?アレスって誰…?』
『ねぇシモン…あなたブラックスワンだったの…?』
『違うよ』
『そう言えば君は信じるの?』
<君の直感を信じなさい>
<あなたの色を見せてください>
<確率が低い物事ほど人は運命を感じる。そうだろ?>
<でも僕は大丈夫じゃないよ>
『全部ウソだったの…?』
『僕は無駄なことはしない主義だ』
『言っただろ?人は進化すべきだと。同じ場所にとどまるためには全力で走り続けなければならない。進化だけがよりよい未来を作り出す。そのためならばどんな手段も厭わない』
『来ないで!』
『私を見逃して』
『この期に及んでまだ交渉の余地があるとでも?』
『さっきのお礼をまだしてもらってない!』
『なるほど。見逃してやってもいい。だがもう次はない』
『もう二度と僕に捕まらないようにすることだ』
『アレス!私はあなたを信じない!だってあなたはシモンじゃない!』
『シモンなら絶対私を傷付けるようなことはしない!』
『蝶を閉じ込めていた瓶は壊れた』
『次会うときはアレスだ』
(そうだ。今はまだやらなきゃいけないことがある。泣くな)
『ほう アレスは失敗したか』
『生温い温室でクイーンを育てようと腐心していたようだが』
『真なるクイーンの大いなる導きによってこの世界の運命は既に決定している。結末は誰にも変えられない』
(一体どういうことだ?)
(EVOLが暴走し 時空を歪め 飛ばされた。これまでと比べものにならないレベルで)
(まさかあの時ワームホールの入り口が開いたとでも?)
『はっ…!』
<幾度となく救われて来たその笑顔。私の前から消えてしまうなんて>
<君との甘い約束はいつかきっと果たすよ>
<第10話 ”別れの夜明け”>
つぶやきボタン…
行方不明になっていたゼンさんは未来に飛ばされてしまっていたみたい
姿を消してしまったハク先輩も能力の暴走で一時的に…って感じなのかな?
ただ、そうしてる間もシモンさんが正体を明かしたりと怒濤の展開は続いてて
これはさすがにメンタルの強いわたしちゃんでも応えるのかなと思ったり
とりあえずは電波を止めることに集中するみたいだけど果たしてできるのか
姿を消してしまったハク先輩も能力の暴走で一時的に…って感じなのかな?
ただ、そうしてる間もシモンさんが正体を明かしたりと怒濤の展開は続いてて
これはさすがにメンタルの強いわたしちゃんでも応えるのかなと思ったり
とりあえずは電波を止めることに集中するみたいだけど果たしてできるのか
恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~ 9話 感想
ヒトコト投票箱 Q. 凧揚げをしたことが… 1…ある
2…ない
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ヒトコト感想
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シモン:平川大輔
movic
2020-10-30
コメント…2020年夏アニメについて
-
- 2020年09月21日 20:33
- ID:OVYrJ8j60 >>返信コメ
- どこぞの学園都市なみに物騒な街になってきたな
-
- 2020年09月21日 20:45
- ID:x4iQMzLI0 >>返信コメ
- わたしちゃんの「しーっ」が可愛すぎる
抱きしめたくなるわ
-
- 2020年09月21日 22:11
- ID:KAhs42Lg0 >>返信コメ
- あと3話で終わらせるのムリゲーだべ
-
- 2020年09月22日 01:30
- ID:TcV7p6fp0 >>返信コメ
- ブラック黒・スワン白鳥でモノクロームなのでしょうか
モノクロームでサカナちゃん(戸松遥)が歌う劇中歌を思い出しました
2期はわたしちゃんが銀河美少女になってブラックスワンと超能力バトルやりますか
もしくは3話ずつ各イケメンルートやりましょうか
-
- 2020年09月22日 03:06
- ID:SknFSf9q0 >>返信コメ
- >>4
一人二役の白鳥の湖と思ってたがモノクロームとは目からウロコだよ
CEOは未来に飛ばされたのか
なんか平和そうだったのでブラックスワンには勝ったのだろう
-
- 2020年09月22日 10:15
- ID:RqZKmA4U0 >>返信コメ
- 原作って乙女ゲームだよね?
乙女ゲームってみんなこんな風に危険な内容なの?
-
- 2020年09月22日 13:00
- ID:TcV7p6fp0 >>返信コメ
- >>5
ブラックスワンはコクチョウでもいいのだろうけれど
深く考えずに黒社会の黒、つまり暗部のことだよなと思って
フラックとスワンを切り離してみただけのこと。気になって調べてみたら
モノクローム→(中文)単色
ブラックスワン→(中文)黑天鹅
で文字から直接モノクロームになることはなかった。それよりも
ブラックスワン理論「めったに起こらないが、壊滅的被害をもたらす事象のこと。」
というのを見つけた(既出かも?)
恋プロの展開からブラックスワン理論というのが組織名の由来に思える
-
- 2020年09月22日 14:02
- ID:iyoP9UCT0 >>返信コメ
- >>6
CERO-C(15歳以上)のやつになると流血描写があったりするけどみんなではない、ものによる
-
- 2020年09月22日 16:10
- ID:sR1P9XgK0 >>返信コメ
- ジャンル的にはまず見ないハズのアニメなんだが、なぜだか見続けちゃってるw。しかも段々面白くなってきてる。
ロリわたしちゃん時代から男どもが全員あまりにも無防備に惚れすぎてて、もーそれだけで女王様だわ。
-
- 2020年09月23日 02:28
- ID:QsBxeY370 >>返信コメ
- >>6
女王つながりで女王蜂の王房はいいよ
憂さ晴らしに陵辱され続けられた輝夜様が好きです
-
- 2020年09月23日 09:57
- ID:wDZd6vfJ0 >>返信コメ
- >>10
18禁乙女ゲーの中でも癖が強いやつじゃないか!ww
いやでもハルヒとかよく見てた人とかに虚見せて
これ一番人気のキャラとか言って反応見たいな
-
- 2020年09月26日 01:51
- ID:6XBFH2jh0 >>返信コメ
- 恋とプロデューサー、というより悲恋とになってるようだが
この題名でなければもう少し視聴者を増やせそうなのにもったいない 原作のゲームは誰か一人のルートを選ぶ形式じゃないそうだが、このアニメはどう終わらせるつもりなのか
-
- 2020年09月26日 12:40
- ID:7mNJLKKB0 >>返信コメ
- >>12
本当に題名で損している
乙女ゲームって題名でわかるようにしているのかダサいのが多い
やたらと異世界や悪役令嬢をつけたがるラノベもどうかと思うが・・・
ほとんど編集が決めてるので酷いものを見かけたときは作家に同情してしまう
わたしちゃんはCEOを選んでほしい
-
- 2020年09月27日 03:32
- ID:6TdkwkcB0 >>返信コメ
- 私ちゃんの泣き顔が何かせくちーだったし教授の悪役顔も作画良くて良かった
謎部分は…未だに全容がよく分からないのはすごいw
まぁ原作ソシャゲが完結してるわけでもないみたいだし、仕方ないのかも
このまま恋部分をバリバリやるんだろうね
-
- 2020年09月28日 01:07
- ID:uOZZmYZ20 >>返信コメ
- >13
題名は変えられないにしても、副題でサスペンス色を出すとかしないとね
ラノベも同じ単語ばかりで区別できないんじゃ、業界が自分の首を絞めると思うが
主人公が逆ハーレムの女王様に甘んじてるのでなく、状況に対して能動的で「今は泣くな」と泣きつつ走る 好感度高いが、おかげで話が停滞しないのもいい
…コメントについて…
※お気軽に、どなたでも書き込みOKです。
※「>>〇」「※〇」のようにコメント番号を指定することでアンカーの指定が可能です。
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