第11話「天斗聖陰拳」
ドイツ軍が要求した羅門の交換条件は、ヤサカの持つ勾玉と「希望の目録」の重要な手がかりとなるエリカの身柄だった。拳志郎は一人、羅門を救うべく廃墟と化した寺院へ向かう。そこで拳志郎を待っていたのは、ドイツ軍に身をやつしたシメオン一派のシャムラだった。拳志郎と拳を交えるなかで、シャムラは「天斗聖陰拳」と口走る。
一方、拳志郎の屋敷では、羅門の身を案じたエリカが、ヤサカの持つ勾玉を持ち出して玉玲たちの前から忽然と姿を消した。
一方、拳志郎の屋敷では、羅門の身を案じたエリカが、ヤサカの持つ勾玉を持ち出して玉玲たちの前から忽然と姿を消した。
「目録はどこだ!?」
『やっぱり希望の目録を狙ってエリカを…』
『どんなことがあっても守る。拳志郎兄さんと約束したから』
(まさかコイツ俺の…!)
『うわぁぁああああ!』
『この男は連中の仲間、利用できます』
『其奴を連れてこい』
『アイツ、羅門と引き換えににエリカと勾玉を差し出せって…』
『なぁ、ドイツ軍はエリカの秘密に気付いちまったのか?』
『いやさっきの子英の口振りだと直観像記憶とやらまでは分かっちゃいないだろう』
『でもエリカは希望の目録に深く関わっていることにはもう気付かれているわ』
『一体どうすりゃいいんだ?』
『こんな一方的な取引に応じられるものか。大体奴らが素直に羅門を引き渡すとは到底思えん』
『それじゃ羅門はどうなるの!?』
『エリカ…』
『羅門は…西門の近くのお寺に…』
『拳志郎、羅門は西門そばの寺院にいるそうよ』
『うん』
『俺も行く』
『ダメだ』
『お前はエリカと勾玉を守れ』
『…分かった』
「くっそ、青幇と裏切り者どもめ…」
「徹底的に探せ!」
「はっ!」
「また武器が売れたな」
「ふふふ、戦争は激しくなる一方だ」
「下賤な奴らの血が流れる時こそ我らが好機。戦火が激化する程に我らの利益は上がる」
「愚民どもめ。互いに己の首を絞めているとも知らず、ほんに愚かよのう」
「我が民が表舞台に立ち世界に君臨する日は近い」
『これも全ては予言と約束を果たすため』
『じゃあ協会の子どもたちは無事なのね?』
「はい。今他の者から郊外の避難先に到着したと連絡がありました」
『良かった…あとは皆の家族の安否確認と非難を急いで』
「はい」
『うっ…うぅ…』
『子英、大丈夫?』
『エリカ…大分マシになった』
『子英、お願いがあるの』
「んん…ゴドバイ」
『ふっ、木偶坊が一匹か。てっきりドイツの大軍隊が出迎えてくれると思っていたんだが随分舐めてるねぇ』
「ドッシャー!お前なんぞ俺だけで充分だ!」
『羅門の匂いがするな』
「おい!約束の物はどうした!?」
『約束?んなもんしてねぇだろ』
「なんで持ってこねぇんだ!このぉぉ!ふんぬあぁぁああああ!」
『へへ、欲しけりゃ俺を倒してから取りに行け』
「あぁ!そうだなぁ」
「ならそうさせてもらうど!」
「ドッシャー!」
「ブブーイ」
『やる気があんのかねぇ』
「余裕こいてんじゃねぇど!」
「ギャペッペ、コ…ゴォォ…」
『代わりに気合を入れてやった。感謝しろ』
「ぬぁぁああああ!なにぉぉ!」
『さぁ余興は終わりだ。さっさと済まそうや』
『エリカは!?』
『今、水を取りに行ってもらってるけど』
『キッチンにもどこにもいない!』
『え?』
『勾玉と共に消えた』
『なんだって!?』
『こら子英、テメェ何か知ってるな?』
『エ、エリカに頼まれて…勾玉を盗んだ…』
『じゃあエリカは勾玉を持って羅門のもとへ!?』
『テメェ!なんてことしやがってんだ!』
『すまねぇ親父、けどエリカが…』
『子英、ヤサカの勾玉が必要なの』
『えっ!?それって…!』
『シッ!』
『ダメダメ、できねぇよ』
『ごめんなさい。でもそうしなきゃ羅門が…』
『気持ちは分かるけど…エリカはどうなるんだよ?』
『心配してくれてありがとう。でももう誰も私のせいで傷ついてほしくない。死んでほしくないの。お願い』
『エリカ…』
『バカヤロー!自分のしたことが分かってんのか!』
『すまねぇ、けど…』
『けどもへったくれもねぇ!エリカにもしものことがあったらテメェ!』
『葉さん子英を殴ってもエリカは戻って来ないわ』
『ここは…』
『羅門、羅門!』
『んんっ…エリカ!どうしてきたんだよ!?』
『羅門を見殺しになんてできないもの』
『エリカ…』
『こんなの俺はへっちゃらだぜ…痛っ!』
『はぁ!』
『大丈夫?』
『うん』
<ドーン>
『今のは?』
『拳志郎さんがあの大きいドイツ兵と戦っているんだと思う』
『兄さんがあの豚野郎と!?』
『マズイ!』
『羅門しっかりして!』
『知らせないと…!兄さんに…!』
『アイツの拳法は泥棒の拳なんだ!』
「ドッシャー!」
『ふっ、ようやく起きたか豚野郎』
『ブブ…黙れぇ!ドッシャー!』
『ふんっ!』
「うぉぉおおい!」
「ブブブブ…みなぎるどぉ!」
「何をボーッとしてやがる。ダッシャァ!」
『泥棒の拳って…』
『アイツ俺の気を吸って自分の拳の速さをアップさせたんだ。もしアイツが兄さんの気を吸ったら…だから速く兄さん…』
『はっ!』
『エリカ!』
『解』
『うわぁぁああああ!』
『羅門!』
『勾玉よ、約束通り持ってきた』
『だから羅門を返して。もう傷つけないで』
『ぐっ…エリカは命を懸けて俺が…守る…!』
『お願い約束を守って…じゃないとこれを叩き割る!希望の目録も手に入らない!』
『こうして俺は兄貴の志と遺品を引き継ぎ、つい三番頭になったわけだ』
『この9割盛ってる自慢話始まると長いカバ』
『紅華会は壊滅しちまったんだよ。俺は再興を誓って寧波で…』
『おい!いつになったら飛燕兄ぃの話が出てくるんだよ!』
『カバァッ!』
『さっきテメェが言ったのはデタラメだろ?オラァは兄ぃが上海にいるって噂を聞いてきたんだぞ!』
『待て待て待てって!俺はオメェの大事な兄ちゃんを殺した男を知ってるんだ!これは間違いねぇ!』
『誰だ!』
『え、閻王…霞拳志郎っていう北斗神拳の使い手だ。は、放せって!』
『霞…拳志郎…?』
「撃て!」
「弾幕をはれ!所詮拳法家など銃には勝てん!」
『くそ…』
「まだまだぁ!」
「グププイ、吸い取るどぉ!」
『お前の拳、相手から気を吸い放つことができるのか?』
「バカが!今頃気付いたか!ドッシャァ!」
『ふっ』
「どぉ!おぉぉ!」
『素早く引いたな。だがお前は速いだけの豚野郎だ』
「天斗聖陰拳の神技を見せてやるどぉ!」
『天斗聖陰拳、ドイツ軍のお前が滅びたはずの拳法を使えるとはな』
「それは…ブヒブような…」
『ブヒブヒ言ってんじゃねぇ!何言ってるか分からねぇだろ!』
『ふぅ、今度はだんまりか。だがこの問いには答えてもらうぞ』
『ギーズを殺ったのはお前か?』
「ブォ?」
『お前が殺ったのか!?』
「ブゥドルグギョウヨウロ…」
『ふっ、豚野郎にギーズが殺られるわけがねぇな。だったら他の…』
「おりゃぁあああ!」
『ハッ、口ほどにもねぇどあ』
「なっ…!ど、どうなってんだぁ!?」
「ふんっ!」
「えぇ…?」
『秘孔”児鳩胸”を突いた。お前の距離感はもうない』
「滋養強壮…?」
『ハッ、テメェは足りてるだろ』
「このぉぉおおお!」
『ハァ…!』
『うぉぉおおおお!』
『ホワタッ!』
『ホワタッ!』
『ニイイチンスラ』
「に、兄ちゃんはズラ?」
「グォ!」
「こ、これで勝ったつもりか…!?お前なんぞ…シメオン様の足元にも及ばんど…」
『ミガッドーミガドルゥゥ!』
『ん?エリカがここに』
『ふん』
@ftomoaki00
まさかギーズの死んだ話しラスト回まで繋げた話になるとは思ってなかった。ギーズ初めはヤサカにあっさりやられ棺桶だったけど、ここまで話繋ぐとは。
2018/06/19 02:16:54
まさかギーズの死んだ話しラスト回まで繋げた話になるとは思ってなかった。ギーズ初めはヤサカにあっさりやられ棺桶だったけど、ここまで話繋ぐとは。
2018/06/19 02:16:54
つぶやきボタン…
やっぱりエリカはこの状況に耐えられなくなっちゃったか…
まぁ自分のせいで周りの人たちが傷つくのは嫌だよね
それにしてもシャムラの能力強かったなぁ…
気を吸って自身の力に変えるって結構最強能力っぽい
でもあれが天斗聖陰拳の強さなのかもしれないね
拳志郎とシメオンぶつかりそうだけど結構ヤバい感じ?
まぁ自分のせいで周りの人たちが傷つくのは嫌だよね
それにしてもシャムラの能力強かったなぁ…
気を吸って自身の力に変えるって結構最強能力っぽい
でもあれが天斗聖陰拳の強さなのかもしれないね
拳志郎とシメオンぶつかりそうだけど結構ヤバい感じ?
「蒼天の拳」第11話
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コメント…2018年春アニメについて
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- 2018年06月19日 09:31
- ID:f4l6hqOH0 >>返信コメ
- 拳四朗のぽんよう、大体死んじゃってるよね。
-
- 2018年06月19日 10:01
- ID:gc58VLf.0 >>返信コメ
- フォッ↑フォッ↑↑ 拳でかすぎでしょ。
カバwwwwwwww ブヒブヒ言ってんじゃねえ。
-
- 2018年06月19日 10:24
- ID:hDdRcDUF0 >>返信コメ
- しかし、どうして蒼天だけ異様にコメ少ないん?
-
- 2018年06月19日 11:45
- ID:Xlb434Gl0 >>返信コメ
- いつもまとめ早いから管理人がらたのしんでるのはわかる
-
- 2018年06月19日 12:35
- ID:8mBlKeHR0 >>返信コメ
- 羅門もいずれあの男に…と思うと悲しい…
-
- 2018年06月19日 14:12
- ID:VSAX5Tey0 >>返信コメ
- アニオリ展開になってからスゲー面白くなってきた
2期は期待できる!
-
- 2018年06月19日 15:14
- ID:0R40pETi0 >>返信コメ
- ぽんようよりぱんやおの方が近いのに…
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- 2018年06月19日 23:34
- ID:8QZ1Sn9R0 >>返信コメ
- 転龍呼吸法からの北斗七死星点
デカブツにはやっぱこれですよねー
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- 2018年06月20日 04:19
- ID:ZyX9UQPJ0 >>返信コメ
- 羅門は後のあのヒトだから誘拐されてもまあ死なないという安心感が邪魔になってしまう
-
- 2018年06月20日 05:05
- ID:HqNtsHuK0 >>返信コメ
- モブを含めみんなガタイが良いのはだいぶ慣れてきましたね☆(^_-)
そういや北斗も世紀末で食料難の時代にガタイ良いやつ多すぎでしたねw
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- 2018年06月20日 10:12
- ID:xMo1Jazs0 >>返信コメ
- >>10
極寒の雪山に目玉が人間の頭と同じくらいの大きさの巨人が出てきたりするしな…
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- 2018年06月20日 15:23
- ID:Xyl9Tfw80 >>返信コメ
- >>4一週間遅れてるけどね
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- 2018年06月20日 22:25
- ID:sN7gxpc80 >>返信コメ
- >>12
え?そうなの?KBS京都で見ているから今週月曜深夜のが今回のだった。。
>>7
発音的には「ぽんよう」の方が近い気がするけど。聞いている人には「ぱんやお」の方が正しい中国語発音に聞こえる時があるのかな?自分は上海で中国語を勉強したから違う地方の発音は良く分からないけど。
まあ「にいいちんすら」は笑っちゃう。
-
- 2018年06月21日 18:19
- ID:0vbL8iRE0 >>返信コメ
- 「ぱんやお」
___________________________ __
│二│三│四│二│三│四│二│三│四│◎│◎│◎│伍│|伍|
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│◎│◎│◎│萬│|萬|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
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- 2018年06月23日 01:13
- ID:OyxwkHqO0 >>返信コメ
- >>12
1週間遅れじゃないんだけど
相変わらずコメ少なっ
-
- 2018年06月23日 20:04
- ID:YoMiP0a60 >>返信コメ
- >>15
面白いのにな。自分が一番漫画読んでた時期にガタイいいキャラの全盛期だったから、やっぱり凄いカッコよく見えるわー。最近のスタイリッシュなキャラもカッコイイと思うし、それはそれで好きだけれど。
筋肉が凄いキャラが強いとね。なんつーかね、燃えるんだよ。
憧れて鉄アレイ買った子供時代を思い出す。親にバレると恥ずかしいからコッソリ買ったんだ。ジャンプの裏の通販で。
....受取人母親だけどな!!!
…コメントについて…
※お気軽に、どなたでも書き込みOKです。
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