第6話「The Show Must Go On !」
「アニキ、なんか嬉しそうっすね!」
「あぁ、見ていかないんすか?」
「約束は千秋楽の完売だからな。帰るぞ。迫田」
「アイアイサー!へへっ」
『ふぅー…』
『もう本番なんだな…』
『なんだか、あっという間でしたね』
「公演中、うまくいかないこともあると思うけど。そんなときは、お互いにフォローし合って」
『できれば…いいっすけど』
『チケットは大丈夫?』
「まだ残ってるけど。公演の評判次第で動くから」
『そうですよ。1回1回をやり切れば、きっとお客さんは通ってくれます』
『そうだな。そのために日替わり要素も入れたし』
『何度もおかわりしてもらうヨ』
『また来たいって思わせないとね』
『いつも通りやればいい』
『うん。今までやってきたことと、監督を信じて。がんばりましょう!』
『ホント。すっかり座長だな』
「本日はMANKAIカンパニー春組公演・ロミオとジュリアスにご来場いただきまして、誠にありがとうございます」
「けっこう埋まったじゃん」
「公演に先立ちまして、皆様にご案内申し上げます」
「さて。どうなるか」
「キンチョーすんなヨ!」
「間もなく、開演いたします。ご着席になってお待ちください」
『いよいよですね』
『やるだけ』
『後悔しないために』
『震えるね』
『ワキワキするヨー』
(舞台の上に立つのは役者だけ。私にはもう、祈ることしかできない)
「みんな。初めてを楽しんでね」
『はい!』
《舞台はイタリアのヴェローナ。この街ではキャピュレット家とモンタギュー家が、長きに渡って抗争を続けている》
(やっとこの日が来た)
『今日こそ!ロザラインを誘うんだ!すみません。この素敵な花を下さい』
『花を下さい』
『宛名は…ロザライン』
『え!?』
『なんだお前』
『僕はロミオ。愛しのロザラインは、僕がパーティーに誘う』
『愛しの?ふざけたことを言うな。ロザラインを誘うのは』
『このジュリアスだ』
『あっ!』
『ロザライン!この花を受け取って!』
『いや、この花を。そもそも金を出したのは僕だ』
『そんなぁ…』
『フラれたな、ロミオ』
『そっちこそ!なんなんだお前』
『なんだと?』
『プッ…ハハハハ…』
(恋敵として出会い、いがみ合う2人は…やがて無二の親友になっていく)
『この先には、僕の知らない世界が広がっている。いつの日か…自分の目で確かめてみたい』
『僕たちの夢が同じなら、迷うことなんて何もない。一緒に旅に出よう。ジュリアス。こんな窮屈な街は飛び出して、世界中を巡るんだ!』
『ロミオ。お前には力がある。僕には頭脳が。2人ならきっと、なんでもうまくやれる』
『そう!2人でなら、どこにでも行けるさ!』
(ロミオとジュリアスはパーティーで。互いが旧敵の家同士であることを知る。ロミオをパーティーに誘うのは、マキューシオ。俺の出番だ)
〈俺…なんでもっと早く演劇やらなかったのかな〉
〈え?〉
〈学校で演劇部に入ったんすけど。練習で帰るのが遅くなったら、末っ子が熱出して。やっぱり無理だなって〉
〈でも…そんなのは全部建前で。やりようはあったと思うんすよ。なのに俺は簡単に諦めた〉
〈自分が覚悟を決められなかっただけなのに。それを大好きな家族のせいにした〉
(もう…後悔はしたくない)
『マキューシオ!』
『ロミオ。失恋したんだって?気にするな。女なんて世界にごまんといるさ。気晴らしにパーティーにでも出かけよう』
『ロミオ…ロミオ=モンタギューだって?』
『ウソだろ…?本当にお前がモンタギュー家のロミオなのか』
『ジュリアス。まさか君がキャピレット家だなんて』
『これより先は、モンタギュー家の宣戦布告と受け取るが』
『そんな…ジュリアス。ジュリアス!』
『ロミオ!』
『ジュリアスー!』
『ロミオー!』
『ロミオ。どうしてお前はロミオ=モンタギューなんだ』
『家も名も捨ててくれジュリアス。僕達には、もっと大きな夢があるじゃないか!』
『だめだ。僕は…家族を捨てられない』
(悩んだロミオとジュリアスは、ロレンス神父に相談するわけだが。さて…)
(言えなかったセリフは、何度も練習したヨ。ツヅルもワタシのために最後まで、台本を手直ししてくれたネ)
『応援します。争いの種が消える、それはいいこと。2人の旅路に、神のご加護を』
『モンタギューだって?ジュリアス、こんな夜にそんな話をすると蛇が出るからやめなさい』
『ロミオ。お前はこの街をしょって立つ男になる。俺は器じゃない。横でサポートしてやるよ』
『地震・雷・火事・モンタギューだ。厄介な一家だが、いずれ駆除しなくては』
『お前のことが心配なんだよロミオ!俺が守ってやらなくちゃ!』
『ジュリアスのために!』
『ロミオのために!』
(ゲームより本気になってくれてますか?至さん!)
(どうかな。まだわからないな!)
『マキューシオ!?』
『ロミオ…』
『マキューシオ!』
『ロミオ…お前は…この街の頂点に』
『どうして?はっ…』
『これがモンタギュー家の辿る運命だ』
『運命は…何も変わらない』
(マキューシオとティボルトは一命をとりとめたものの。ロミオは全ての罪を認め、死刑を宣告される)
『僕はロミオを助けたい。どうすればいい?』
『仮死になる薬あれば、みな騙せます』
『僕が戻るまで死ぬなよ。ロミオ』
(死を偽装する薬を求め、ジュリアスは旅立っていく)
(そして…ロミオの死刑が執行される日)
『ジュリアス。旅立ちの約束を守れなくて、ごめん』
『ジュリアス?』
『死ねロミオ!』
『どうして!僕達は、親友になったんじゃ』
『お前は…ロミオ=モンタギュー』
『モンタギュー家だ!』
(2人の気迫が伝わってくる)
『ロミオ!』
『ジュリアス!』
『約束の場所で待ってる』
『そこまでです』
『ジュリアス。これを渡すために』
(次がラスト)
『そもそも僕は肉体労働派じゃないんだ。山登りなんて二度とするものか』
『ごめんごめん。次は僕がジュリアスのために、薬の材料を取りに行くよ』
『あんなことが、そうそう何回もあってたまるか』
『さぁ。ジュリアス』
『あの日の約束通り』
『2人で世界中を巡るんだ!』
『これ…拍手だよな』
『お客さん…』
『すごいな』
『嵐みたいネ』
『ほら。ボーっとしてないで、カーテンコール!』
『はい!』
『ありがとうございました!』
『ありがとうございました!』
『ありがとうございました』
『ありがとうダヨー!』
「今日もよかったねー。もう3回目ー」
「セリフ、ちょっと変わってたよね」
「千秋楽楽しみー!」
「みんな。この後なんだけど…」
「連日の公演に夜遅くまでミーティングじゃ、当たり前か」
「監督ー!大変です!」
『なに?朝?』
「せっ!せせせ…せっせっせっ!せっ!せせっ!せせっせっせせっ」
「落ち着いてください。何があったんですか?」
「ふぅー…はぁー…千秋楽、完売しました!」
「え」
「たった今、最後の1枚が売れました!」
『カンパイ?』
『じゃあ、劇場は…』
「なくならない。みんなのおかげだよ」
『やったぁー!』
『真澄、起きろ!千秋楽完売したぞー!』
『うっとおしい…』
『やったネーイタルー』
『いっ…』
『あ…ごめんダヨ。情熱的すぎたネ』
『いや平気。でも離して』
「千秋楽まで残り2日。みんな、悔いのないようにやりきろうね」
『はい!』
『がんばるネー』
『今日の公演中ネ?』
『うわっ…びっくりした。何のこと?』
『しばばっきれてもダメダヨ?』
『ちょっとひねっただけ。あと2日ぐらいなんとかなる。監督とかあいつらには言わないでくれ』
『ダメだったらすぐに言う。約束ダヨ?』
『わかった』
『満席ですね』
「それだけみんなへの期待が高いってことだよ」
「ジャマすんぞー!」
「約束通り見に来てやった」
「約束通り、満員にしました」
「そのようだな。ひとまず、取り壊しは待ってやる」
『よかったぁ…』
「ただし。埋めた客も満足させなきゃ意味がない。劇団が安定した収益を上げるには、固定客の獲得が必須だ。そのためには質の高い公演を続けるだけではなく、常連客を飽きさせない…」
『また講義が始まった…』
『ためになるネ』
「何がおかしい」
「いえ。思ってたより面倒見がいい人だなって」
「フン。行くぞ、迫田」
「アイアイサー!」
「今日の劇場は…昔を思い出す」
『マキューシオー!』
『ロミオ…お前は…この街の頂点に』
『どうして!』
『これが…モンタギュー家の辿る運命だ!』
(ここでティボルトが倒れて)
『くっ…』
『足をかばったネ』
「え?」
「なんだ?」
「すみません、一旦幕を」
『やめろ!』
『やめろティボルト。もう戦いは終わったんだ』
「このセリフ」
『咲也のアドリブネ』
「The show must go on」
『剣を下ろせ』
『それはできない。ロミオ=モンタギュー!』
「幕はどうしますか?」
「このまま続けます」
『あんなことが、そうそう何回もあってたまるか』
『さぁ、ジュリアス』
『あの日の約束通り』
『2人で世界中を巡るんだ!』
「舞台かっけー!マジヤベー!」
「まあまあだな」
「よかった」
「ヨカッタヨカッタ」
「ま、衣装はよかった」
『すごい…今までで一番大きい』
『スタンディングオベーションだ』
『どうなるかと思ったヨ』
「足…大丈夫ですか?」
『イタル』
『そんなに痛いんすか?』
『救急車』
『違…なんか今…今までの人生でないくらい、自分が熱くなってて。笑えるだけ』
『熱くなったってことは、もしかして劇団に残ってくれるんすか?』
『まぁね』
(今回の公演は…きっと、一生忘れられない思い出になる)
「何やりきった顔してるんだ」
「左京さん」
「腑抜けてる暇はないぞ。ようやく春組の一公演が終わっただけだからな」
「で…夏のメンバーに目星はついてるのか」
「えっと…募集もしますけど。声をかけたいなって思ってる人はいます」
『MANKAIカンパニーか』
つぶやきボタン…
ついに春組の話もラスト
劇場が危うく壊されかけてた頃からと比べ、すっかり劇団として成長してる…
そして約束どおり千秋楽も満員に!
最初こそ1席使ってた亀吉も座れなくなるとはw
咲也と真澄だけでなく綴と至も素人だったとは思えないほどしっかり殺陣を見せてくれたね
元々芝居に興味のなかった至が残ってくれることになるぐらい本人たちにとってもいい舞台になったみたいで
次からは少しだけ顔見せもあった夏組の番!?
劇場が危うく壊されかけてた頃からと比べ、すっかり劇団として成長してる…
そして約束どおり千秋楽も満員に!
最初こそ1席使ってた亀吉も座れなくなるとはw
咲也と真澄だけでなく綴と至も素人だったとは思えないほどしっかり殺陣を見せてくれたね
元々芝居に興味のなかった至が残ってくれることになるぐらい本人たちにとってもいい舞台になったみたいで
次からは少しだけ顔見せもあった夏組の番!?
A3! 6話 感想
ヒトコト投票箱 Q. 春組の5人で好きなのは 1…咲也
2…真澄
3…綴
4…至
5…シトロン
6…選べない
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コメント…2020年春アニメについて
-
- 2020年05月14日 11:10
- ID:EChRmvkB0 >>返信コメ
- 無能なヤマカンは今日も元気にエゴサーチ
-
- 2020年05月14日 11:32
- ID:evmG.JXQ0 >>返信コメ
- チケットいくらで何枚売れたんだろ。
名前忘れたが、モブ役者みたいなのいたよな。
村人とか街の声みたいの。あいつら出ないの?
時間短いからって役者経験ある人もいたじゃん。
-
- 2020年05月14日 11:35
- ID:Xkux6Brn0 >>返信コメ
- ロミジュリはよかったのだがシリアスなシーンで「地震雷火事モンタギュー」は寒かった。神父も止めにはいるの遅い。ズレてる
足を怪我した人がいつ倒れるのかとハラハラしながら見てたら倒れるところで踏ん張ってポカーンとなってしまった。逆に面白かった
-
- 2020年05月14日 11:47
- ID:evmG.JXQ0 >>返信コメ
- 男の客は身内除けば友達や彼女の付き添いかな。
腐女子の客もいそうだな、顔は皆カッコいいし。
今は何月の設定なんだろ。春なのは確実だが。
春組のテーマはさわやかな王道だっけ?
-
- 2020年05月14日 11:50
- ID:hKEZbJuC0 >>返信コメ
- シトロンは好きになれたし、至と真澄もよかった
けど綴が…1話と2話で活躍したからもういいだろって感じで後半空気ぎみだったせいかあんまり思い入れを持てなかった
CMにいる春組6人目はアニメで加入しないまま終わるのか、それとも最後らへんにまた何かあるのか
-
- 2020年05月14日 13:08
- ID:t2p.CnRk0 >>返信コメ
- 画像一枚あひるの空が混じってるのは自分の環境だけですかね???
急に作画がかわって吹きました
-
- 2020年05月21日 23:47
- ID:bPdD76.R0 >>返信コメ
- 打ち切りのコメント数やん…
-
- 2020年07月14日 01:36
- ID:7DmTQdmg0 >>返信コメ
- コメント数の少なさが不憫だ。
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