第10話「別れの夜明け」
『恋花タワー…』
『この町の中心に存在する最も高い建造物。暴走電磁波の発信源と見て間違いないだろう』
『ねぇシモン…あなたブラックスワンだったの?』
『そういえば君は信じるの?』
『シモンなら絶対 私を傷付けるようなことはしない!』
(あそこに暴走電磁波の発信機が。それさえ止めればEVOLの暴走も収まるはず)
<偶然だと思っていた出来事は全て必然だった。それを人は運命と呼ぶのだろう。でも運命は変えられないと誰が決めたのだろうか>
<クイーン。その遺伝子を持つ者はEvolverと呼ばれる特殊能力者たちに更なる力を与え未来を開く。クイーンが真に目覚めるとき世界は進化を遂げるのか、あるいは…>
(ブラックスワン。間違いないやっぱりこのタワーの中に)
(さすがに厳重ね。どうやって中に入れば…)
『ひっ!』
『安心して。俺だよ ポテチ姫』
『キラ』
『俺もEVOLの暴走事件を追ってたんだ』
『えっ?』
『それで暴走電波の発信源がここだって突き止めたんだよ』
『さすがスーパーハッカー』
『さ、どうぞ。ポテチ姫』
『ありがとうキラ』
『どういたしまして』
『俺にとっても今回の事件は他人事じゃないからね。EVOLを暴走させるなんてそんなの許されることじゃないよ』
『キラは大丈夫だったの?アイドルを引退したってニュースで…』
『仕方なかったんだ。ファンのみんなをこれ以上危険に晒すわけにはいかなかったからね』
『もちろん今はEVOLを使わないよう抑えてるから』
『キラ…』
『必ず止めましょう』
『うん』
「セクションC 確認」
「セクションC 確認」
「セクションD モニターをチェック」
「モニターチェック。確認」
『異常はないか?』
「はい。今のところは」
「問題ありません」
『うむ、続けよう』
「はっ!」
「B1エリア ブロックA モニターチェック」
「モニターチェック。確認」
「B2エリア ブロックB モニターチェック」
「モニターチェック。確認」
『これで俺たちの姿は向こうには映らない。ヤツらに気付かれずに発信機の場所までいけるよ』
『どこにあるか分かるの?』
『もちろん』
『これ見て。電磁波の発信機があるのはタワー天辺のここ』
『そこに?』
『まずはこのルートを通ってエレベーターに向かう。これを使えば屋上展望台の下まで直通で行ける』
『そこから外階段で屋上に上がれば発信機はすぐそこだよ』
『天辺…外階段…』
(早く早く…)
『ハァ…』
『大丈夫?』
『あ、うん。ちょっと緊張しただけ』
『ちょっとだけ?』
『ちょっとだけ』
『誰かエレベーターを使っているのか?』
「はっ。確認します」
「どれも使用されておりませんが」
『ほう』
『そろそろかな』
『キラ?』
『後ろを見て』
『すごい。綺麗』
『タワーに上るのは初めて?』
『うん。なんだかドキドキする』
『でもそんなときじゃないよね。ごめん』
『だったらさ、また来ようよ』
『ここの展望台にオススメのカフェがあって。そこのパンケーキがとにかく甘くて最高なんだ』
『他にも美味しいベイクドチーズケーキを出してくれるレストランもあるし。あっ!あそこシュークリーム絶対食べなきゃな。最初はどの店にしようかな~?』
『キラってほんと甘い物好きよね』
『君も超々気に入るって。楽しみにしててよ』
『着いたの?』
『いや。ヤツらに気付かれたんだ』
「いたぞ!」
「待て!」
「止まれ!」
『キャー!』
「出てこいよ。もうすぐ応援部隊もやってくる。悪いことは言わねぇ 諦めな」
『うっ!まぶしっ!』
「なんだこれは!?」
『キラ…』
『隠れよう』
『待って』
(あれはタワーを警備していた人たちの首にも…)
『戦闘開始っと』
《ようこそ!ご案内しまーす!》
「ええい!邪魔だ!」
「うぁぁああああ!」
《ようこそ!ご案内しまーす!》
「うぉぉおおおお!」
(おかしい。どうしてEVOLが使えるの?タワーの中にだって電磁波が飛び交ってるはずなのに…)
「どうした?小細工はこれで終わりか?」
(これってもしかして…)
『これを急いで調べてみて』
『分かった』
『これは特定の電磁波を防ぐための物みたい。一種の遮断装置だよ』
『やっぱり』
『だったらこの装置を壊しちゃえば…』
『いや。1つ1つ壊して回るより大本を潰した方が早いよ』
『各端末を管理してるメインシステムがあるはず。これか?』
「うぁぁああああ!」
「うわぁぁああああ!」
<ドーン>
『どうやら警備や応援部隊とやらの連中も倒れてしまったようだ』
『行こうか』
『この先に非常階段の入り口があるから』
『うん』
『うわっ!』
『EVOL!?』
『キラ!』
『悪いがこの先は通行止めでね』
『招かれざる客には退場してもらうよ』
『えっ!?』
『キラ!』
<俺は自分の誕生日を知らない>
<物心ついた時にはあそこにいた>
<俺たちは人間じゃなく単なる物だった>
<よく分からない実験に使われ、耐えきれなくなったら捨てられる>
<そこで彼女と出会ったんだ>
『誰…?』
『クマちゃん?』
『え?貸してくれるの?』
『可愛い』
『ありがとう』
『そうだ。お返しするね。ポケットにキャンディが入ってたんだけど…』
『あ、お着替えしたから今は持ってないの…』
『キャンディ…?』
『知らないの?』
『うん…』
『甘くてとっても美味しいの。お家に帰ったらあげる。約束』
『うん』
『決めたんだ!』
『必ず君を守るって!』
『歳を取ると用心深くなってね。万が一に備えてコイツだけはコントロール系統を別にしておいたのさ。さぁ来てもらおうか』
『このタワーには無数の鉄筋が使われている。磁力のEVOLを持つ私はそれを自在に操れる』
『分かるだろ?ジ・エンドだ』
(磁力…)
《ハロー》
『追いかけっこはここまでだ!』
『大人しく従え。でないとアンタもここから落ちることになる』
《ダメだよ!女の子をいじめちゃ!》
『キラ!?』
《そんな人にポテチ姫は渡せないね!》
《もう大丈夫だよポテチ姫》
『キラ!よかった無事だったのね』
《もちろん!俺はスーパーヒーローだからね!》
『もう、こんな時まで』
『安心して。俺がすぐに悪者を退治して君を助け出すから』
『コソコソと隠れながら小細工を弄することしかできないのか。姿を見せる度胸もない臆病者め』
『そこか!』
『お前…まさか…!』
『一緒にダイブしようか』
『キラ大丈夫!?』
『スーパーヒーローは絶対勝つ!』
『ハァ…疲れた…。アクション映画の撮影の10倍はハードだったよ』
『ありがとキラ』
『うん』
『そうだ。確かポケットに…』
『元気が出る魔法のキャンディ。はい』
『約束』
『どうかしたの?』
『ううん何でもない。ありがと』
『それとあの話忘れてないよね?全部終わったら俺と一緒にスイーツ巡りするって』
『そうだっけ?』
『うん』
『分かった。仕方ないから食いしん坊さんに付き合ってあげる』
『なに!?』
『マズイ』
『これって…』
『行こう!』
『キラ大丈夫?』
『うん。ちょっと足が滑っただけ。急ごう』
『キラどうしたの!?』
『決めたんだ。必ず君を守るって』
『お前に命令を下す。屋上へ出て扉を閉めるんだ。誰一人入れてはいけない。それは俺を含めてだ』
『えっ…』
『キラ!』
『いつか必ず戻ってくる』
『や、やめてキラ!』
『だからポテチ姫、俺を待ってて』
『キラ…』
『手が固まって…体も…』
『キラ!大丈夫なの!?』
『どうしてよ…』
『一緒にみんなを救うって言ったじゃない!』
(これでみんなは助かる…よかった…)
『ガキならポテチ譲らないよ』
『気を付けるんだな。いつも誰かが助けてくれるとは限らない』
『何か御用ですか?』
『どちらかというと警察に世話になる方だと思ってたか?』
『最後までずっと一緒だ』
「コードP029 EVOL増幅装置の停止が確認されました」
『問題ない』
『都市に危機的状況を生み出し人々の生存本能を刺激する。その目的は十分に達せられた』
『脅威に抗うためには自らを進化させるしかない。その変化に耐えられぬ者は消えゆくのみだ』
「ねぇ起きてってば!お母さん!朝だよ!ご飯!お腹空いた!ねぇ起きて!お母さん!ねぇ!お腹空いたよ!」
『はい。CEOは現在出張中でして。いつお戻りになられるかは。はい申し訳ございません。』
『こっちだって知りたいよ。いつ戻ってくるのか』
『ケン』
『し、CEO!』
『各プロジェクトマネージャーを会議室に集めろ。15分以内にだ』
『えっ?』
『至急取りかかってもらいたいことがある』
<これが私の運命?>
<抗えない未来だとしてもお前と最後まで戦い抜く。そう決めたんだ>
<第11話”めぐる時の果てに”>
つぶやきボタン…
恋花タワーに設置された暴走電磁波の発信機は無事に破壊できたみたい
頂上から落ちた時はどうなるかと思ったけどハク先輩が助けてくれたようで
暴走電磁波を止めるために犠牲となったキラ君の安否が気になるところだけど
まぁ未来に飛ばされたゼンさんも無事だったしキラ君も大丈夫なのかな?
何やらブラックスワンも大きく動き出したみたいだけど果たして…
頂上から落ちた時はどうなるかと思ったけどハク先輩が助けてくれたようで
暴走電磁波を止めるために犠牲となったキラ君の安否が気になるところだけど
まぁ未来に飛ばされたゼンさんも無事だったしキラ君も大丈夫なのかな?
何やらブラックスワンも大きく動き出したみたいだけど果たして…
恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~ 10話 感想
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シモン:平川大輔
movic
2020-10-30
コメント…2020年夏アニメについて
-
- 2020年09月30日 08:39
- ID:OZsdQ9uA0 >>返信コメ
- 無能なヤマカンは今日も元気にエゴサーチ
-
- 2020年09月30日 09:01
- ID:xjE1GLYd0 >>返信コメ
- 唐突なEVOLマッスルわろちw
-
- 2020年09月30日 09:10
- ID:KbYwRx2N0 >>返信コメ
- わたしちゃんは大阪出身だったのか。
-
- 2020年09月30日 09:35
- ID:njom9JuT0 >>返信コメ
- 物理最強
-
- 2020年09月30日 10:31
- ID:PghFDDa40 >>返信コメ
- わたしちゃん、ただの捕らわれの姫でなくて、けっこう行動力があるのがいいね。
-
- 2020年09月30日 10:47
- ID:KPwDQ54Y0 >>返信コメ
- キラがギアスを使って驚いた
ルルーシュとユーフェミアのようだ
-
- 2020年09月30日 11:06
- ID:KPwDQ54Y0 >>返信コメ
- サングラスをかけてるのに眩しいとはどういうこと?
先輩はおいしいとこどりだな
-
- 2020年09月30日 11:46
- ID:Z5hQRNl.0 >>返信コメ
- CEOは女王とポッと出の関係じゃなくて昔tからの深い因縁あるなら
「条件クリアで出資」とか、回りくどい関わり方をしたのが解せない。
Pが「あの時の少女」と同定された時点で制作会社を買収するなどして
囲い込む事が出来たはずなのに。
-
- 2020年09月30日 12:50
- ID:oqzeHFEJ0 >>返信コメ
- 「銃、病原菌、鉄」のオマージュ?
-
- 2020年09月30日 18:20
- ID:tGy5JhVz0 >>返信コメ
- >8
彼女がそれを受け入れない性格だとその時点で分かっていたんだろう まず自分で確認する現場主義だから
守られるのを待っているだけのお姫様じゃなく、かといって感情優先のダメダメな行動で危険を招くわけでもない イラつかずに見れるヒロイン だからいざって時に王子様が来てくれる都合のよさもあまり気にならない
特定の誰かを選んでるわけじゃないから、それぞれとロマンチックな場面になっても甘すぎないし
ただ状況はシビアになって、乙女ゲーム原作なのに願望通りの方向に行かない それがこの作品の個性か
-
- 2020年09月30日 20:03
- ID:uuKuHnsK0 >>返信コメ
- >>8
CEOは不器用で素直じゃないから、いじわるなことをしてしまうんだよ
それに、わたしちゃんを病院に閉じ込めたとき、彼女のためにならないとシモンにネチネチと嫌味を言われてるしね
まったく、ストーカーが偉そうに・・・
-
- 2020年09月30日 21:20
- ID:bgeXM6YQ0 >>返信コメ
- 鉄パイプ腰に括りつけて敵の装置破壊しに行くヒロイン斬新だわw
-
- 2020年10月03日 21:16
- ID:s9gcPkCo0 >>返信コメ
- しかし本当に恋とかプロデューサーとか何だったんだろうな
-
- 2020年10月05日 14:23
- ID:kBhuYroX0 >>返信コメ
- >13
人類の未来をプロデュースするって意味かも だが言われてみれば彼女、恋をされても自分ではしてないようにも見える
-
- 2020年10月05日 19:26
- ID:8DQPEFMt0 >>返信コメ
- キャラがかっこよく見える描きたい場面優先!整合性は後!という思い切りの良さが何か懐かしくて好きww
-
- 2020年10月06日 03:10
- ID:tBrddpax0 >>返信コメ
- >>14
アニメの薄桜鬼は土方とくっついたけど、それをやられると「なんで沖田じゃないの!」とか文句を言い出す人がいるから、あえて誰も選ばないようにしたんじゃないの?
恋愛はゲームで楽しんでくださいみたいな
…コメントについて…
※お気軽に、どなたでも書き込みOKです。
※「>>〇」「※〇」のようにコメント番号を指定することでアンカーの指定が可能です。
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