第2話「戦う理由/Nobility」
「君たちここは立ち入り禁止だよ」



「あ、あれ?」
「気のせいか」

『笑わせてくれるよ。事前に得た情報では精神異常者による犯行とされているがこれがただの人間の仕業だって?』

『下手な情報操作だ』
『ならば誰の仕業?』

『人間の中には人ならざる力を求める異端の者がいると聞く。そんな連中にアレを渡すわけにはいかない。到底人間に扱える代物ではないからな』

『この件は僕たちのやり方で処理しなければ』



「おはようございます」

『おはよう』
「キャー!カッコイイ!」




『ギリギリセーフ』

『もっと早く起きなよ』
『お前が起こしてくれなかったからだろ』

『急いだ方がいい。もう授業は始まってるぞ』


(なんだ今のは?コイツら…)

『案内を頼む』
『は?』
『この施設の責任者に会いたい』

(なぜ彼らのような者がここに?)

『ありがとうM21。君はもう下がっていい』

『まずお話を…』
『お雨がこのアカデミアの責任者か?』

(私が誰かは把握していないのか)

『そうです。初めまして』
『この国では僕たちのような者はこの学校とやらに通うらしいな。ここはこの辺りで最もいい学校だと聞いたが』
『そう言っていただけると幸いです』


(この能力はマスターと同じ…やはりこの者たちは…)

『僕たちはここに転校してきた。そのように手続きを』
(私を普通の人間だと思っているのか。ならば…)

『分かりました。すぐに手続きを進めましょう』
『頼むぞ』

『その前に1件 仕事の連絡をしてもよろしいでしょうか?』



『転校生を紹介する。1人ずつ自己紹介を』

『レジス・K・ランデグル』
『セーラ・J・ロイアード』

「おぉ!」
「ちょっとカッコよくない!?」

『またかよ。俺らのクラス外国人の転校生多くねぇか?なぁ学…』

『2人は日本での生活に慣れていないそうだから田代!面倒見てやるように!』
『また俺!?』



『分かったよ!やりゃいいんだろ!?』

『やっとライが慣れてきたとこだってのによ。なぁ?』

『はっ!』


(お前も感じたかセーラ。これほどまでのオーラを感じる人間などこれまで一度も…。一体彼は何者だ?)

『ここが学食。ささ遠慮無く食えよ。つっても学の奢りなんだけどな』

『ってライまたラーメンかよ。好きだなぁお前』

『そういや箸使えるか?』

『その程度のこと』


『お、おう…使えんじゃん…』


(な、何なんだ…彼から感じるこの敬虔さは…)

(そしてなぜ食事に手を付けない!?)


『ライまた増えるの待つのかよ。食欲なくなるからやめろよな』



『なぁライ 今日放課後あいてるか?恋のキューピッド作戦だ』

『あの2人、アンタのマスターのクラスに転入させたんだってな』
『あぁ』
『いいのかよ?』

『マスターの判断だ。まずは彼らの目的を探らねばこちらも迂闊なことはできない』

『やっぱり普通の子どもじゃないんだな』

『変な感じがした。アンタたちに会ったときと同じ感覚』

『何者なんだ?知ってるんだろ?』

『”NOBLESSE”ってやつなんじゃないのか?』

『ユニオンはそいつを探してた。詳しいことは末端の俺たちには知らされなかったがユニオンが持つ科学力の範疇を超えた強大な力を持つ何かって話だ』


『違うのか?』
『どこから話すべきか』

『遙か昔、科学と文明が現代のように発達していなかった頃、人間はあまりに無力だった。獣や自然によってもたらされる脅威にただ晒され生きるしかない』

『そんなとき人間は彼らと出会った』
『彼ら?』

『人間が恐れる全てのものを凌駕する強力な力を持った存在』

『故に人々は彼らを頼り、城の近くに定住するようになった』

『危険があると助けを求め、彼らはそれを拒まなかった』
『どうして?』
『人間はそれだけ無力だったのさ。側にいたとて取るに足らない、恐るるに足らない存在だと認識したんだろう』

『彼らは自分よりも弱い者を見捨てることができないんだ。それが力を持つ者の誇りであり義務だと考えているからな』

『人間は彼らの強い力を尊敬すると共に畏怖し、支配者として恐れ、いつしかこう呼ぶようになった』

『”貴族”と』
『それがアイツら…』
『貴族は人間を一方的に守る者だと認識している。故に私を普通の人間だと勘違いして手荒な真似はしなかったのだろう』

『人間はか弱い保護対象か。だから妙な力で支配してやろうってか。気にくわねぇ』

『そのような考え方をする者もいるというだけの話だよ』
『その貴族っていうのがNOBLESSEなのか?』

『お前らもそうなんじゃないのか?』

『正解とも不正解とも言える』


『うわっ!』

『学はそっち座れ』
『なんでだよ!?こっち空いてんのに!』

『照れんな照れんな!』
『意味分かんないよ!』

『あっ!おかえり理事長!』
『お邪魔してます…』

『あれ?警備のおじさんじゃん!なんでなんで!?』

『彼にはここで住み込みで働いてもらっているんです』

『……』


『皆さん遊びにいらしてたんですね…』

『あの…勝手にすみません』
『あ、コップがないじゃん』

『理事長コップもらえます?』
『裕ちゃん!』


『手伝おうか?』
『いや私がやる。この家とマスターは私が守る』

『まさか理事長んちに警備のおじさんまで居候してたなんてな』
『理事長って優しいんですね』
『いえいえ。困ったときはお互い様ですから』

『あ、じゃあさレジスとセーラも理事長の家で世話になったら?』

『は?』
『いや聞いてくださいよ』

『コイツらにどこ住んでんのか聞いたら”まだ住む場所は決めていない”とか真顔で言うんっすよ?いくら留学生でも行き当たりばったりすぎでしょ』

『ここだったらライもおじさんもいるし安心だろ?な?』

『私は構わない』

『も、もちろん構いません。レジス君、セーラさんよろしければ是非』

『ハァ』


『あぁ…』

『すまないな。身を隠しているお前からすれば気が休まらないだろうが』

『所詮は居候だ。俺に気を遣う必要はないさ』

『何かお手伝いすることがあれば』

『いえ大丈夫ですよ。使っていただく部屋は片付けてありますのでもう休んでください』




『タトゥー?』
『恐らくあれはユニオンと呼ばれる組織に所属する者の証。ナンバリングは被験者に与えられるものだと聞きますわ』

『最初に会った時から妙な感じはしていた。つまりヤツは人造の化け物か』

『消えた棺』

『明らかに異能の力によるものにも拘わらずそれを徹底的に隠蔽された事件』

『そして時を同じくして人間どもに紛れ込んだ改造人間。セーラすごい偶然だと思わないか?』
『確かめた方がよさそうですわね』

『あれ?レジスは?』
『さっきまでいたよな』
『レジスは用事があるようです』
『そうなんだ』


『人間どもに交じって何をしてる?力を得るために人間であることを放棄したお前のようなヤツを僕は好まない』

『あぁ?』

『レジス帰り道ちゃんと分かるかな?』
『ライはよく道に迷うもんな』

『なんで急に止まんの!?』
『お前はなんで俺の隣なんだよ。あっちだろ?』

『何言ってるの?』

『だから!』

「田代君 外国人の姉ちゃん連れてんのかよ。やるねぇ」

『何だアンタら?』

「マジ?地毛?しかもすげぇ可愛いじゃん」

『ちょ、ちょっと!』
「あぁ?」

『おい俺の友達にちょっかい出してんじゃねぇ』

『聞いてた通り生意気だね。ちょっとついてきてもらうぜ田代君』

『質問がある。先月この辺りで連続して起きた怪事件について何か知っているか?』

(コイツらあのことを調べてるのか。だがなぜ?)

『そりゃあれだけ騒ぎになったからな。頭のおかしなヤツが犯人だったんだろ?』
『まさかそれを信じているなんて言わないでくれよ』
『何が言いたい?』

『改竄された表向きの話ではなくて本当のことが聞きたいんだ。関係者の口から直接ね』

『事件を起こした人物、それに関連のある者たちについての情報を渡せ。お前ら改造人間の仕業か?指示をしたのはユニオンか?』
『どうしてそれを知りたがる?』

『ヤツらが奪った物を取り返す。アレは人間の手には負えない過ぎた力だ』

(コイツらも棺を追っているのか)

(だがまだ気付いていない。NOBLESSEが外に出た可能性には)

『探す手間が省けてよかったな。それを盗んだ連中なら死んだよ』
『嘘はついていないようだな』

『だがそれで解放すると思ったか!』

(精神支配!?)


『どうした?人間ごときはお前らに怯えてぶるぶる震えてた方が理想か?』

『化け物め』





《レジス》
《セーラどうした?》

《少しばかり厄介なことに》

『アンタ仲間引き連れてお礼参りか?つくづくやることがダセぇな』
「お前が田代か。ウチのチームの連中が世話になったそうだな」

「ちょっと調子乗りすぎたんじゃねぇか?五体満足で帰れると思うなよ」
『で?確かめてみろよ。つべこべ言ってねぇで。言っとくけどこの間の俺とは違うぜ』

「ガキがすかしてんじゃねぇ。やれ」






『裕ちゃん…』

「何してんだ!ぶっ潰せ!」


『さすがに人数が違いすぎるよ』

『引っ込んでろ!』



『お前らには手出しさせねぇ』

『出て行ってどうする?妙な力を全員にお見舞いする気か?』
『放せ!』

『見ろ。お前のお仲間は無事だ』


『アイツ人間のくせになぜ…』

『人間だって戦うべき理由があれば戦うさ』

「クソッ!」
『待てゴラァ!』



「どいつもこいつも!」

『裕ちゃん危ない!』


「テメェ!」



『ここまでだ。田代もほどほどにしとけ』

『次 仕返しに来る時は俺1人の時に来い。ダチ巻き込んだら許さねぇぞ!』

『裕ちゃん大丈夫?』
『あぁ。お前ら怪我はねぇか?』

『うん。ライとセーラもね』


『おうサンキュー』


『いててっ…』
『大丈夫?』

『少し見ない間に随分と野蛮になったものだな、人間は』
『あれは特殊な人間だと思いたいけどな』

『変わったんだろ、人間も』

『はぁ?』
『俺はお前らの知ってる時代のことは分からねぇよ』

『でも人間はお前らに支配される存在じゃない。一方的に守られるだけの存在でもない』

『何を知りたいのか知らないが俺たちの世界を勝手に踏み荒らすなよ』
『生意気な口を利くな、改造人間』

『テメェ次そう呼んだら殺すぞ』
『その前に僕が殺す』
『フッ、できないくせに』

『そんなことはない。いざとなったらやる』
『ご勝手に』
『あぁそうする』
『そうしろ』



『安心するなよ』

『安心なんてしない』

『僕が諦めたと思うなよ』

『そうも思ってない』

『お前にあてがわれている部屋の方が広いなんて到底納得できることじゃない』
『だから代わってやると言ってる』
『お前のようなヤツに借りを作るなんて御免だ』
『なら文句を言うな』

『寝首を掻いてやる』
『やれるものなら』
『ハァ…』

『やってやる』
『やってみろ』
『今夜やる』
『子どもは早く寝ろ』
『子どもじゃない』

(胃が痛い。ここは大人として空気を変えねば…)

『さーてそろそろ夕食の準備をしましょう』

『何かリクエストはありますか?久しぶりに私が腕を振るいます。何でも仰ってください』




『ラーメン』
(また…)

つぶやきボタン…
人間を守ってきたNOBLESSEと呼ばれる存在にも色々といるみたいで
M-21さんと仲良く喧嘩してるくらいだしレジス君もいい人なのかな
ただ科学が発達した現代では人間もただ無力な存在ってわけでもなくて
そのあたりのギャップをどういう風に受け止めたのか少し気になるところ
今回の裕介君の戦いぶりを見て貴族は一体どう思ったのだろうか…
M-21さんと仲良く喧嘩してるくらいだしレジス君もいい人なのかな
ただ科学が発達した現代では人間もただ無力な存在ってわけでもなくて
そのあたりのギャップをどういう風に受け止めたのか少し気になるところ
今回の裕介君の戦いぶりを見て貴族は一体どう思ったのだろうか…
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NOBLESSE 2話 感想
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コメント…2020年秋アニメについて
-
- 2020年10月23日 02:55
- ID:ocZsS2f30 >>返信コメ
- ギャグをぶっこんでくるタイミングがなんでここってのばっかりなのはよくわからんけど、なんか丁寧に話組み立ててるっぽいのは好感持てるんだよなあ
-
- 2020年10月23日 03:37
- ID:8j.627Kn0 >>返信コメ
- みんなボケだと思っていたらマスターの「ラーメン」に総ツッコミ
マスターが面白すぎる
-
- 2020年10月23日 03:48
- ID:zo5mWbKQ0 >>返信コメ
- 0話のシリアスから思いっきりギャグ方面に舵切ってるけど大正解だわ
-
- 2020年10月23日 05:22
- ID:hwMOLq1.0 >>返信コメ
- まさかのほのぼの系アニメだった
-
- 2020年10月23日 05:28
- ID:G9gjH8ej0 >>返信コメ
- 今回偶々視たんだが・・・結構おもろいw
食わず嫌いしてたが、暫く視聴してみよう。
-
- 2020年10月23日 08:19
- ID:QTQrjYal0 >>返信コメ
- 主人公チート系か。
そして、微妙にいい意味で蚊帳の外という。
-
- 2020年10月23日 09:07
- ID:K8Xbpo8y0 >>返信コメ
- これめっちゃ面白いなw
-
- 2020年10月23日 10:32
- ID:NVqbfGSM0 >>返信コメ
- >>4
ヒロインっぽい子はもう出ないのかな
-
- 2020年10月23日 10:58
- ID:.C8tvjbg0 >>返信コメ
- てっきり異能力バトルものだとばかり思ってたら
出てくるメンバーで次々とボケツッコミの輪を広げてゆくw
いったいどこへ向かって走ろうとしているのか?
そろそろユニオンさんとやらが相手にしてもらえない痺れを切らして暴れ出す?
-
- 2020年10月23日 11:43
- ID:nuo6aplg0 >>返信コメ
- M-21とレジスの口喧嘩が子供っぽくて微笑ましい
貴族は人間を守ってくれるのか
セーラさん、お願いします
-
- 2020年10月23日 12:22
- ID:rbj1UX3g0 >>返信コメ
- この作画ハイキューに分けてください
-
- 2020年10月23日 14:11
- ID:SgtolcK.0 >>返信コメ
- ライが主役の物語なんだよな?
レジスが普通にいい奴なせいで
次の回も見たけど出番全く無いぞw
-
- 2020年10月23日 15:07
- ID:5VrcPIfa0 >>返信コメ
- そう言や マスクっていつ終わったんだろう?
-
- 2020年10月23日 19:04
- ID:ZZB3oozo0 >>返信コメ
- なんかストーリーとギャグのバランスがおかしくない?ギャグが多すぎて何このアニメ?みたいになってる。
でもその何とも言えないギャグがこの作品の魅力になっていてまた観てしまう。
-
- 2020年10月23日 20:05
- ID:zRlvJNH50 >>返信コメ
- ライが戦いそうで戦わないのがじわじわくるなw
戦ったのは0話だけで後はネタ担当という。
レジスとセーラが敵対するかと思いきや一緒に住み始めるし、M21と仲良くなるし、田代くん強くてみんな出番なしとか、色々予想外で癖になる。好きだw
-
- 2020年10月23日 21:46
- ID:z..jpA7m0 >>返信コメ
- >>13
最後、ちゃんとコンセントに差し込んでいれば大活躍だったぞw
フランケンは胃に穴があきそう
-
- 2020年10月23日 23:38
- ID:YJxq4oGe0
>>返信コメ
- 今期の癒し
-
- 2020年10月23日 23:40
- ID:YJxq4oGe0
>>返信コメ
- シリアス多めのティラミス
嫌いじゃない
-
- 2020年10月24日 03:25
- ID:MUfDUm.X0 >>返信コメ
- 紅一点のセーラさん、無口可愛いな。
みんな書いてるけど、まさかの面白アニメでホント笑う。
0話のシリアスよりこっちの方が好きだよ。
-
- 2020年10月25日 02:05
- ID:5NF.2Ov20 >>返信コメ
- コメント同じ人が何回も書き込んでない?w
-
- 2020年10月25日 10:29
- ID:6EGcXvH30 >>返信コメ
- >>21
誹謗中傷でなければ別にいいけど
それよりアニメの感想を言えよ
3話も面白いぞ
-
- 2020年10月25日 12:36
- ID:A8qDZ6UH0 >>返信コメ
- 原作マンガ130話まで開放されてたから久しぶりに再読
このよくわからないギャグがいいんだよね……
…コメントについて…
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いっつもインスタントラーメンみたいなのばかりだから是非とも二郎系を食べさせてあげたいな。